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【ケツメイシ】
前代未聞の最新作『ケツの穴...こだわらへん』を大いに語る。〜前編〜

ケツメイシ、史上最大のスペクタクル作品の登場。2年ぶりの全国ツアーとなった、前代未聞のエンターテインメント・ショー『【アドベンチアーズ】KTM TOUR 2015シモネティーナと4人の賢者〜失われた聖水を取り戻せ〜 』が、DVD・Blu-ray『ケツの穴...こだわらへん』(2015年10月21日発売)としてリリースされた。

最新アルバム『KETSUNOPOLIS 9』に収録された「カリフォルニー」、「RHYTHM OF THE SUN」、「月と太陽」などの人気チューンはもちろん、メンバーが海賊に扮しての3時間におよぶ笑いあり、涙ありの感動のコント風ミュージカル的なステージ・パフォーマンス。4月19日に行われた、さいたまスーパーアリーナでの公演の模様を全曲ノーカットで収録した本作。ケツメイシをはじめて観るようなオーディエンスでも、まるでテーマパークに来たかのように心の底から楽しめる見事なホスピタリティー。RYO、RYOJI、大蔵、DJ KOHNOの4人に、映像化について裏話を聞いてみた。

――ケツメイシのライヴは、動員力がすごいと噂では聞いていたのですが、人気の理由がわかりました。CDが売れない時代と言われてますが、楽曲へのこだわりはもちろん、エンターテイメント性の高いライヴを実践されてますよね。誰ひとり飽きさせない心意気というか。

RYOJI そうですね。DVD/Blu-ray『ケツの穴...こだわらへん』もなるべく多くの人に観てもらいたいんです。でも、映像作品って好きな人しか買わないものだと思っているんで、友達とかに広げてくれると嬉しいですね。で、ライヴに来てくれる人が増えてくれたら嬉しいです。あと、ライヴで自分を観ることはできないじゃないですか? なので、こういった作品があると復習になるんですよね(苦笑)。次回はもっとこうしようとかね。まぁ、シラフではあんま観ないですけど、酔っ払って皆で観ると面白いんですよ。

一同 (笑)

――今回は、海賊をテーマにしたセットや衣装だったり、コンセプチュアルなステージになっていますが、どんな流れでイメージは決まったのですか?

RYOJI 日本って、だんだんハロウィンが盛り上がっていたり、コスプレが日常生活で流行っていたり、そういうのが得意な国だと思うんです。何かコンセプトを決めることによって、みんなで一緒に楽しめる感じっていうね。なので、世界観に合わせたグッズにもこだわりました。

――グッズ、ビール型ペンライトがあったじゃないですか? これ衝撃すぎて2個買いましたからね(笑)。最高ですよね。

RYOJI ライヴ会場で、これだけ買った人もいたみたいで(苦笑)。

DJ KOHNO 何かペンライトを集めたブログみたいなのがあって、そこでも紹介されたんですよ。

――ははは(笑)。噂になったんですね。

DJ KOHNO SEKAI NO OWARIのペンライトと、いっしょに取り上げられていて、びっくりしました。

RYOJI 有名なアーティストのコンサートへ行くと、連動して腕で勝手にピカピカ光るヤツとかあるじゃないですか? ああいうのは僕らはイヤなんです(苦笑)。グッズとして造形にもこだわりたいんですよね。

――ビール型ペンライトを見たときに、こだわりを感じましたね。しかもジョッキ型だから乾杯ポーズできるし、持って構えるのも楽しいんですよね。

RYOJI まぁ、オリジナル商品だったので、軽量化に時間がかかりましたが(苦笑)。担当がノイローゼ風になって(苦笑)。

DJ KOHNO まだちょっと重いつって(苦笑)。お前、2時間これをお客さんに振らせんのかっていう(笑)。

――それこそセットの巨大さもおどろきました。現場的には大変だったんじゃないですか?

RYOJI 大道具さんがいうには、最近はセットをバンと置いてやるようなアーティストが少なくなってきたから、やりがいがあったと言ってくれて。巨大LEDモニターなデジタル系が多いじゃないですか? でも、不器用なところがケツメイシらしくていいかなって。

――なるほど。あと、RYOさんの代表挨拶がもう最高でした(笑)。客席見てると、下ネタなのに女性ファンの方が喜んでいたり。子連れの場合は、耳を手で塞いでいる親もいたり(苦笑)。面白かったですねぇ。ていうか、あれは何なんですか(苦笑)?

RYOJI あの規模のライヴで客いじりするアーティストってあんまいないよね?(苦笑)。

――けっこうお客さんからのヤジを拾って返答してましたよね(苦笑)。

RYO (小声でボソボソと)う〜ん、何にも考えてないですよ。目の前の人とかいじったりしながら、ごまかしてるんです(苦笑)。

DJ KOHNO もうちょっと声を張ってもらっていいですか?(苦笑)。

――ははは(苦笑)。でも、あのMCによって、会場の空気感がやわらかくよい雰囲気になりますよね。

RYO あの規模でやる割には、ずいぶんやる側も観てる側もゆるい感じで(苦笑)。それがアレですかね。我々のこのグループのキャラというか、人となりがなんとなく出ていて。いつもまぁ、次はどうしよう?とか、いろいろ皆で考えるんですけど。まぁ、なかなかね。ほんと次はどうなるのかな?っていう感じなので。もう、皆けっこういい歳ですし、ツアーも2,3年に1回と考えると、一回一回を大切にしたいですよね。

DJ KOHNO 本気で思ってます?(苦笑)。

RYOJI 絶対思ってないでしょ(笑)。

RYO いや〜、この皆で過ごす4か月。ほら、修学旅行気分ていうか、いい歳してこんな感覚って味わえないでしょ?

――そうですよね。

RYO それがほんと楽しいですね。うん。

――それこそ、テーマパークに来たような気分で楽しめる夢のあるツアーでしたよね。

RYO (謙遜しながら)僕たちはいわゆる実力派ではないので……。

DJ KOHNO 何かそういう全体でごまかす(苦笑)

一同 (笑)

RYO 上手いことやる感じって大事なんですよ。ライヴだって、ただ聴くだけじゃつまんないじゃないですか? よく知らない人のコンサートとにお付き合いで連れて行かれて、知らない曲を聴いてるだけとか嫌で。子供から大人まで、初めて観る人にも楽しんでもらいたいんですよ。僕、けっこう知り合いのPTAの人がまとめてチケットを買って観に来てくれたりするんですよ。曲とかもちろん全然知らないんですけど、「まぁ、なんかよくわからないけどすごい面白かった!」って言ってくれて。終わった後こう、蒲田とかで打ち上げやってたりね。朝まで飲んで。そういうのを見るとなんかこう…嬉しくなりますよね。

DJ KOHNO みんなが盛り上がるきっかけになるんですよね。

RYO 飲み散らかすきっかけになっているみたいで。コンサートがきっかけで、テンションあがってそういうのっていいなって思ってます。

――それこそ、ケツメイシの動員力がどんどん上がっている状況ですし、メンバーとしても満足度が高いツアーだったんじゃないですか?

RYOJI まぁ、楽しかったし、自分たちでもいろんなアイデアを出したし、うまくやれたかなぁと思うんです。ただ、予算がいくらでもあるグループでもないですし、そこはアイデアでどんどんカバーしていくことが大事かなぁと。あと、大人でも夢の世界に行ったり、ちょっと現実と違う世界へ行くと、なんか楽しくなるっていうことを大事にしていきたいなって思っています。せっかく時間を作っていただいて、チケットにお金を出してもらうわけですから。それを裏切らないってことだけに集中したいなと思いますね。

――RYOJIさんが大切にされているエンターテイメント感もお伺いしたいです。ちなみに、コントやあのステージセットから、『8時だョ!全員集合』のドリフターズ感を受け取れたんですけれど、影響ってあるんですか?

RYOJI そうですね。たとえばレジャー施設に行ったら、乗り物に乗ったり、歌のショーに行ったり、いろいろ観れるじゃないですか? なんか場面場面でいろんなアトラクションに行ってる感覚になってくれたらなって思いますね。あと、いまは僕ら以外、コントをやっている音楽グループがいなかったっていうのもポイントですね。普段一緒に接していても面白いメンバーだと思うし、打ち上げの時が一番面白いグループじゃダメだよなっていうのもあって(苦笑)。僕らテレビに出ないので。コンサートで楽しさを表現していければいいのかなと思っています。

――ツアーでは、音楽面だけじゃなく、演技だったり、剣を持って殺陣もやられていたじゃないですか? あれって大変だったんじゃないですか?

大蔵 けっこう挑戦でしたね。ちなみに、今回のドリフ的な要素は、ゲストにアンタッチャブルの柴田英嗣さんを迎えたのが大きかったですね。

――そうなんですね。柴田さん、登場シーンで「オイッス!」って言ってましたもんね(笑)。

大蔵 はい(笑)。僕らのことも元々ファンでいてくれて。柴田さんに会う前は、自分たちでネタを考えて、演技、コントみたいなのをやってたんですけれど、それだけじゃ敵わない部分があって。まぁ、お笑いのプロになろうとはしていないんですけれど(苦笑)。で、柴田さんに脚本書いてもらうようになってから、良くなったっていうか。

DJ KOHNO 役割が明確になりましたね。

大蔵 で、ドリフ的なコントを書いていただいて、立ち位置などを指示してもらって。で、間の取り方を教わりました。

――それを、1万何千人の前で披露ってすごいですよね。

大蔵 そうですね。でもライヴが終わると、曲が良かったって言われるより、コントが良かったって(苦笑)。まぁ、それなりに楽しんでもらえた証拠かなと思っています。

――コントやミュージカル的要素があることで、楽曲に入りやすくなりますよね。あと、物語性もあるので共感度があがるっていうのも発明だと思います。

大蔵 ずっと曲だけをやってるとね、つらいっていうか。

RYOJI けど、最初ってなんか、コントはじめたの、ライヴ中にタバコが吸いたいとかの理由じゃなかったっけ?

一同 笑

DJ KOHNO 僕らがZEPPとかクアトロとかをまわってた頃って、衣装チェンジとかないじゃないですか? どうやったらタバコを吸う時間作れるんだろうって考えてたましたね(苦笑)。

RYOJI あとはまあ、うちのRYOが日本でも5本の指に入るほどお腹が弱いので(笑)。トイレ時間の確保も重要で。

RYO 腹痛で一万人を15分くらい待たせちゃったりね。前日飲みすぎちゃって…。

RYOJI でもここまで本格的なミュージカルだと、逆に休憩に入る時間がなくなっちゃったんだよね(苦笑)。一応タバコは吸うんですけど(笑)。

DJ KOHNO でもバタバタバタって。ダッシュですよね(苦笑)。

RYO 着替えるのも、脱ぐのも大変だしね。2,3人がかりで。着替えしやすいように、マジックテープ仕様のズボンだったりとか(苦笑)。


……話は盛り上がってますが、次週後編へ続く。

2015年9月30日/西麻布にて

以上、ヒットの現場からお届けしましたー。

次回は10月30日更新

ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフレットへの寄稿、TM NETWORKツアーパンフレット・シリーズ執筆。SMAPタブロイド新聞フライヤー執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TM編&TK編』、4万字取材を担当した『氷室京介ぴあ』(ぴあ)発売中!
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