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INTERVIEW

7月15日にNewシングル「Seaside Bound」をリリースしたSKY-HI。mu-moショップでは本シングルを予約した方から、抽選で選ばれた約100名を招待してSKY-HIに公開取材を実施。新たな音楽的アプローチを聴かせた「Seaside Bound」の制作秘話から、正統派、王道なヒップホップ「F-3」から起こったSKY-HI自身も予想していなかった「アート」な展開、そして彼の音楽的なイズムや制作のモチベーションといった内面性から、11月に行われるツアーまで幅広く語りおろして貰った。



まず、今回のNewシングルに「Seaside Bound」を選んだ理由は?


SKY-HI 「前作の「カミツレベルベット」が自分的に大きかったんですよね。メジャー・デビュー以降、人の気持ちに触れるモノ、人の気持ちに届くモノを作ろうって事に注力していて、その為にサウンドやメロディ、なにより歌詞の強さをずっと追求してきてるんですね。「カミツレベルベット」はそういった部分で、自分の設定したハードルをしっかり超えられた楽曲になったと思うし、それによって自分の内面的に確信や自信が持てたんですよね」


外からの評価による確信ではなく、自分自身の内面として確信が持てたと。


SKY-HI 「そう。お客さんが増えたとか、売上がどうだとかじゃなくて、“「カミツレベルベット」のような曲が作りたいと思ったら、作れる”っていう事自体が、自分の自信に繋がって。その上で、今回の「Seaside Bound」はフラットに、ライヴで盛り上がるような曲を作りたいって思ったんですよね。“夏だから盛り上がる曲”って、よく分かんない音楽プロデューサーが考えるようなアイディアだけど(笑)、「カミツレベルベット」が出来た事で、そういうザックリしたイメージで曲を作っても、ちゃんと中身のしっかりしたものが作れるって自信があったし、シングルのリードでベース・ミュージック(※1)をやっても、大丈夫だろうなって」

SKY-HI

いわゆる「カミツレベルベット」のようなディスコ路線の方が、ポップ・ミュージックとしてはリスナー・フレンドリーではあるよね。ベースはダンス・ミュージックではあるけども、まだポップ・ミュージックとして享受されるまでには、日本では至ってないと思うんだけど。


SKY-HI 「でも、ベースがシングル曲になったのは、結果論に近いんですよね。「カミツレベルベット」も「スマイルドロップ」も、ポップス・シーンに対応する為にディスコティックなアプローチをしたって思われがちだけど、“いい曲を作った結果”“この曲でリスナーの心を揺らそうとして生まれた結果”なんですよ。だから、“こうすれば驚くだろう”みたいな、アプローチありきのエゴイズムは皆無で。「Seaside Bound」も、自分の音楽のテーマの一つであるベース・ミュージックを、エモい空気感で一緒に曲を作れる人を考えたら、それは世界中でSONPUB(※2)だったっていう事だし、そこで良い曲が出来たから、それがシングルになったっていうだけで。リスナー・フレンドリーという意味では、「Seaside Bound」のコード感は、メロコアのバンドを聴いてた頃に影響を受けた曲のような、直球なモノにしたんですよね。その意味ではサウンド的にシンプルに踊れるものになってると思うんだけど、歌の内容まで分かりやすいものにしてしまうのは、ちょっと違うなって。それこそ、そういうベタなパーティ・チューンは、自分ではあまり聴かないし、今、自分が作るものでは無いかなって。その意味でベース・ミュージックを作るにしても、エモーショナルな部分を込めた曲にしたかったんですよね。だからラヴ・ソングだけど“届きそうで届かない、叶わない恋”って部分をテーマにして」


だからセオリーから考えると非常にいびつなバランスにあるんだよね。“ダンス・ミュージック”を“夏に出す”って言うことを考えたら、LMFAO(※3)の「Shots」じゃないけど、享楽的な部分を全面的に押し出すのがセオリーだと思う。だけど「Seaside Bound」はベース・ミュージックでありつつ、センチメンタルなメロディと歌詞世界っていう、相反するテーマを結び付けてる部分もあって。


SKY-HI 「ラジオとかで最初にかかった時、“ノリノリの曲ですね”って反応があったんだけど、MVを公開した時に一気に反応が変わって」


ぱっと聴くとノリのいい曲っていう雰囲気を受けると思うんだけど、しっかり歌詞やテーマが分かると、その意外性とバランスに驚くと思う。


SKY-HI 「曲を上がった時に、自分もそれを感じたんですよ。ぱっと聴くぐらいだと、曲の世界は伝わらないかもなって。だから、この曲の切なさとか儚さっていう空気感は映像でも形にした方がいいなと思って、あのMVになったんですよね」

そういった意外性は、自分の中で織り込み済みだとは思うんだけど、そういった意外なモノをリスナーに提示するというのは、ある種の「不安」も感じるのかなと思うんだけど。


SKY-HI 「確かに。でも自分の中で、楽曲としてのクオリティが一番高くなるのは、この構成だと思ったから、そこに不安は無いんですよね。ビート的なテンションは高いんだけど、同時に感動したり、心に残る曲になってると思うから」


つまり、リスナーのマインドをしっかり刺激することが出来れば、それが正解だということだね。


SKY-HI「そうですね。"Seaside Bound"の歌詞ってシチュエーションを細かく描いた、ビジュアライズした内容だと思うんだけど、その"情景"よりも"その情景を見ている時の感情"が伝わって欲しいんですよね。それが出来れば、歌詞の解釈は任せていいかなって」


それはリスナーを信用してるって事にも繋がると思うんだけど。


SKY-HI「そうですね。応援してくれる人、会場に来てくれる人が増えて、その数が増えるほど中心にいるコア・ファンは、俺のマインドの部分までフィールしてくれてる事が、特にライヴ・ツアーを通して感じたんですよね。それは本当に支えになってるし、同時に責任感も感じる。だから、違和感を出しても、どういう風に捉えられても怖くないのは、コアなファンはちゃんとフィールしてくれるし、そのコア、中心から自分の音楽が広がってくれると思えるからなんですよね」


なるほど。だから「F-3」のような正統派、王道のヒップホップをシングル単位で提示する事も出来ると。


SKY-HI「でも、“AAAの日高のファンだけど、SKY-HIは聴いたことがない、聴く気もない。だってラッパーってYO!YO!って感じでしょ”って言う人もいるんですよ。「愛ブルーム」以降、いかに世の中に(ヒップホップを)リーチさせるかっていう事を考えてきたけど、頑張っても実らない片思いみたいなのは、やっぱりあるんだなって。しかも、それが俺のファンっていうのはスゴい辛い事でもあるんだけど、続けていけばいつか分かってくれるのかなとも思って」


ヒップホップに対する偏見は、以前よりはかなり減ったとはいえ、それでもまだ消えてはいないよね。その状況に、“ザ・ヒップホップ”な「F-3」をシングルで提示するのは、チャレンジングでもあると思う。MVもヒップホップにアレルギーがある人はホントに苦手な内容だと思うし(笑)。


SKY-HI「ですよね(笑)。でも、今のSKY-HIにしっかり付いてきてくれてる人は、“ヒップホップだから好き”でもないし、“AAAの人だから好き”でもないと思うんですよね。“俺を俺として好きでいてくれる”と思う……んだけど大丈夫だよね?(笑)」


(会場笑)


SKY-HI「良かった(笑)。そういう色んな“前提”が無くてもフィールしてくれるファンがいるし、その結びつきが強くなるって事を感じてるので、「F-3」みたいな動きも怖くなくなったかなって」


「F-3」はダブル・ミーニング、トリプル・ミーニング的な意味の深い曲になっているけど、この作り方もラップならではだよね。


SKY-HI「自分で曲も詩も書くっていう、シンガーソングライター的な制作をするからには、自分の意識とか思想を提示しないとっていう意識はありますね。今回は制作にDJ YANATAKEに加わって頂いてるんですけど、彼との制作ディスカッションの中で、「F-3」のリリックの内容は分かりづらくていい、日高のインテリジェンスをフル回転でやっていい』って言ってくれたんですよね」


だから日高くんのイズムみたいな部分が分かりやすく出していないし、同時に色んな角度から込められた曲になってると思う。


SKY-HI「歌詞の解釈に関しても、リスナーに任せようと思ったんですよね。だけど、Twitterのハッシュタグ“#F_3”で、この曲の歌詞解釈をみんながしてくれて。その動きはホントに嬉しかったし、誇りに思う動きでしたね。中学生ぐらいの女の子から、ゴリゴリのB-BOYまで、この曲の解釈をみんなでして、そのコミュニケーションの中で、曲の解釈の精度や理解の段階がリアルタイムで上がっていって。そうやって自分の予想もしない方向に物事が転がっていって、自分の楽曲がリスナーによって成長していくのは“アート”でしたね。その経過も含めて、「F-3」で俺は“アーティスト”になれたと思う。そして、その立場に俺をしてくれたのはリスナーのみんなだったって事をホントに誇りに思ってますね」


「F-3」はDJ WATARAIさんがビート・プロデュースを手がけているけど、例えばJoey Bada$$みたいな、USヒップホップの流行とも繋がったサウンド・アプローチでもあるよね。


SKY-HI「この曲に関して言えば、そういう音楽的なトレンドも意識してますね。でも、それをなぞったというつもりはなくて、自分がこの曲で提示したいテーマに相応しいビートは、こういう90s的なビートだと思ったし、それが世の中のムーブメントとリンクしたんだと思います。やっぱり“服に着られない”ようにしたいんですよ。流行や流れに乗る事が、シーンに媚びたように映るのは絶対に嫌だし、「F-3」みたいな曲をやるのは、ヒップホップ・シーンに認められたいからって思われてしまうような内容になるんだったら、俺はリリースはしない。先端や流れは意識にはあるけど、そこには引っ張られないようにしてますね」


その意味では、グループとして動くAAAと、ソロとして自分の意志でクリエイションするSKY-HIとでは、どういった違いが自分の中である?


SKY-HI「船長であるか、船員であるかの違いかと思いますね。グループの場合は、求められるモノや自分の役割があるからその方向性を全うするし、グループとしての正解に繋がるために自分を動かすという意味では、AAAというチームの船員だと思う。ソロの時はスタンスやアプローチ、クリエイションっていう全てを自分でコントロールするから船長だと思いますけど、『何かと作る』という意味では、そこにギャップはないですね」

SKY-HI

なるほど。シングル以降の動きとしては、11月からZEPPツアーがスタートしますね。


SKY-HI「今年の頭のツアー(「SKY-HI TOUR 2015 〜Ride my Limo〜」)が自分としてもバッチリだったっていう手応えがあるんですよね。とにかく満足した、自信のあるライヴだったので、それが同時に次のライヴへの超えるべきハードルになってる部分もあって。それぐらい前回のツアーは、今まで自分が提示してきた全てのクリエイションの中で、一番自信があるんですよね。だからそれを明確に上回る、超えて行くツアーを作らないといけない。 ツアー・タイトルを『SKY-HI TOUR 2015 〜Ride my Limo2〜』 にしたのは、全く別の事を提示して違う展開でアピールするんじゃなくて、あのツアーの先にあるものでありながら、それを超えるモノにしたいんですよね。それを乗り越えてから新しい道や目標を作らないとなって思ってるし、それが出来るツアーにしたい。だから、絶対に楽しませる事の出来るライヴだと思ってますね」


作品作り的な部分では?


SKY-HI「カミツレベルベット」のようなディスコ路線を中心にしたポップなもの、「F-3」のような正統派、王道なヒップホップ、そして「Seaside Bound」のようなベース・ミュージック。この三つの流れを自分の楽曲の柱にしてるんだけど、1stアルバムではそれを提示しきれなかった部分をひしひしと感じていて。だから、次のアルバムでは、その三本の柱の明確な提示と振れ幅をしっかりと見せる事が必要かなって思ってますね。それが出来て初めてスタートに立てるような気がしてて。同時に言葉の精度を上げることも必要だと思いますね。SKY-HIの何が好きかって言った時に、“歌詞が好き”って言ってくれる人をもっと爆発的に増やさないと、俺の目指してるところには行けないって思いがあって。だから言葉を操るスキルをもっと高めたい。そうやって、自分の作品を70億人に聴かせるぐらいまで届けたいし、届いて欲しいんですよね。そして自分の作ったものに対して、聴いてくれたり観てくれて時間を割いてくれるなら、そこに正解を届けたい。でも、そう思えるのは、SKY-HIのファンがいてくれるからですね。重ね重ね言うけど、ファンに対する感謝と愛情は世界一を取れるんじゃないかって思ってし、それはみんながいてくれる限り変わらないと思う。ファンがいてくれるからアンチがいても気持ちは揺るがないし、クリエイションにも影響しない。自分が自分を誇れる作品を作れるのは、ファンのみんなのおかげだって心から思いますね」


※1 レゲエやダブステップを基調としたダンス・ミュージックのジャンルのひとつ

※2 今作のトラック・メイカー

※3 ラッパー、ダンサー、DJのレッドフーとスカイブルーによるアメリカのエレクトロホップデュオ

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