キャラバンは進む。親愛と物語を紡ぎながら。
羽多野渉の旅路の先とは。

今年アーティスト活動5周年を迎えた羽多野渉。それを記念した5th Anniversary Projectを実施。5周年を記念した5大プロジェクトとして、TVアニメ『ユーリ!!! on ICE』のエンディングとなるシングル「You Only Live Once」、ミニアルバム『キャラバンはフィリアを奏でる』をリリース。さらに2017年1月には自身初となるライヴDVD『Wataru Hatano Live 2016“Synchronicity”』を発売。また2017年2月より全国ライヴツアーもスタートさせる。
今回、アニミュゥモでは、声優だけでなくアーティストとしても確かにステップアップしてきた彼が、この5年見てきた景色がどのようなものか。この先を目指すものは何処なのかを聞いた。

アーティストデビューから5年を経たわけですが、この5年という歳月は振り返ってどのようなものでしたか？

「“5th Anniversary Project”の企画の話をスタッフさんとしたときは、“ああ、もう5年も経ったんだな”という感じで。とにかく目の前にあるチャンス…曲を歌わせていただいたり、CDを出させていただけるということを、ひとつひとつしっかりやって、また次に繋がるようなお仕事をしようと思ってやっていたら、いつの間にかという感じです。音楽活動をやらせていただいて、声優として日々台本をチェックして、アフレコや吹き替えでマイクの前に立っているだけでは見ることのできない素敵な景色を見させていただけました。毎回毎回新鮮さがあり、そういう意味では充実した5年間だと思いますね」

声優として非常に幅広い役を演じられている羽多野さんらしく、これまでの楽曲も非常に幅広いものだと思うのですが、このバラエティに富んだ楽曲たちから得たものはありますか？

「たくさんありますね。音楽のお仕事と声のお仕事でいい意味での相互作用が生まれました。個人音楽活動の中にお芝居の力を持ってくることができたり、逆に歌のレコーディングで培った音楽としての知識をお芝居の方にフィードバックする機会があったり。5年間やっていく上で、そういう循環が生まれたことが大きな発見です。“アーティスト・羽多野渉”と“声優・羽多野渉”…やってみるまではこの2つは別ものだと思っていたんですよ。でも、そんなことなくて“一人の羽多野渉”としてどちらの仕事もやっている。だからこそ、どちらも100％になるように心がけているんですけれど、“あ、どちらの仕事にも通じるんだな”と。近年、音楽を使った表現をする作品がアニメだけじゃなく、ゲームなどでも増えてきて、キャラクターを演じながら、そのキャラクターが歌った時にどういう表現になるのかということを、声のお仕事をしていただけでは想像ができなかったのですが、音楽活動をしていく中で音楽の表現の可能性を知ることができたので、“それをこっちに持ってきちゃおう！”と思えるようになりましたね」

素敵なお話ですね。

「いやいや（笑）。でもこれは今の時代に声優をやっているから体験できることかもしれなくて、時代がズレていたらわからないですよね。今でこそアニメの中で歌うことがそこまで珍しくなくなったわけで、だから自分が培ったものが活かされているのかなと思っています」

次ページ ＞　意欲作「You Only Live Once」と『ユーリ!!! on ICE』の世界

• 1
• 2
• 3