J-POP王道のポップセンスを持つ2016年最強のニューカマー、イトヲカシ。伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Bass/Guitar/Key)による2人組ユニットだ。前作ミニ・アルバム『捲土重来』はインディーズでのリリースながらオリコン総合チャート5位にランクイン。Twitterフォロワー数55万人以上、動画共有サイトで人気を集め、これまで全国の路上ライヴで合計3万人以上を動員してきた彼らが、2016年9月21日にシングル「スターダスト/宿り星」でメジャー・デビューする。アップテンポな「スターダスト」と、テレビ東京系アニメ『双星の陰陽師』のエンディング・テーマ「宿り星」について話を聞いてみた。
取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
結成から4年、2人組としてのメジャー・デビューは感慨深いんじゃないですか?
伊東歌詞太郎(以下、伊東): 僕ら中学からの同級生で、それぞれバンド活動をずっとやってきたので、メジャー・デビューは夢でした。今は、メジャー・デビューの価値が昔に比べて薄れているかもしれないけど、僕らにとっては憧れだったんです。音楽に夢をみるなって言われても、僕らはずっと音楽に夢をみてきました。ワンマン・ライヴで、メジャー・デビューを発表したときのお客さんの反応が嬉しかったんですよ。自分のことのように、泣いて喜んでくれるファンを見ていると、僕らに夢を託してくれているんだなって。メジャー・デビューしたからといって僕らのスタンスは何も変わらないんですけど、まわりの期待に応えていきたいなと思っています。
宮田“レフティ”リョウ(以下、宮田):
率直にいえば嬉しいです。でもあくまで通過点だと思ってますし、これから叶えないといけない夢がたくさんあります。それを実現していくことで、音楽に夢を持っていいんだぜってことを証明していきたいと思ってます。
ファンとともに喜びをわかちあえる関係性って感動的ですよね。今回リリースする「スターダスト」は、イトヲカシらしいスタンダード感が強いナンバーですね。
伊東:
メジャー・デビューという枠に捕われず、全曲シングルカット出来るような楽曲作りに全力投球しています。「スターダスト」は流れ星の曲なんですけど、“流れ星に3回願い事を唱えたら叶う”ってジンクスがあるじゃないですか? でも、実際はあの一瞬に言えないですよね? 星に願いをかけて願いが叶うなんて甘い世界じゃないと思うんです。だったら自分自身でがんばるって決意表明をしようぜと。他人任せではなく、自分で動き出した方が絶対に夢へと近くなると思うんです。「スターダスト」で伝えたいのはそういうこと。でも、メッセージを歌っている本人がうまくいってなかったら一番ダサいじゃないですか? 僕らの生き様や夢を叶えていく姿を、応援してくれている方たちと共有していきたいと思っています。「スターダスト」の歌詞はやっぱりその通りだったということを証明したいんです。
まさに「スターダスト」は決意表明ソングなのですね。
宮田:
王道の音楽をやりたいというのが、僕らのテーマとして根底にあります。今回もこれまでの作品同様つきつめた結果こういうアレンジになりました。奇をてらわないというのが一番難しいと思ってます。ギミックをいっぱいしかける方が簡単だと思うんですよ。あえてベーシックなものに、心の琴線に触れるアレンジを盛り込めたらと思って作りました。
2曲目収録の「宿り星」は?
伊東: TVアニメ『双星の陰陽師』のエンディング・テーマです。アニメ本編が終わった後に流れる曲なので、アニメの世界観に花を添えるべきだと思いました。原作を読んだらすごく面白くて、イトヲカシと『双星の陰陽師』の世界観を両立させたいと考えたんです。この二本柱が共存する場所があると思ったんですね。探し当てて形にしたのが「宿り星」です。
宮田:
「宿り星」は、アニメの世界観と僕らのオリジンを両立する落としどころ探しにこだわりました。曲の中に儚さと力強さが同居してたんです。それをアレンジでうまく落とし込みました。儚さを打ち出すストリングスのアレンジによって奥行きが出て、世界観がさらに広がりました。対比して、バンドサウンドはあえて力強くゴリっとした、ちょっとファジーでラウドな音像にこだわりました。音色選びには試行錯誤しましたね。