J-POP王道のポップセンスを持つ、伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Bass/Guitar/Key)による二人組ユニット、イトヲカシ。ティーンを中心に局地的に爆発的人気を誇ったインディーズ時代。そして客層の幅も広がったメジャーデビュー後も、ワンマンツアーは即完売、夏には日本最大級のロックフェスにも出演し、着実なるステップアップを進めている新しい才能だ。現在でもファンとの絆の場所である全国路上ライヴを続けている彼らが、最新2ndシングル「さいごまで / カナデアイ」を2月8日にリリースする。「さいごまで」は、河合塾TVCMタイアップソング & 「キットカット」受験生応援キャンペーンのために書き下ろした楽曲であり、受験生はもちろん、目標に向かってチャレンジする人の背中を押してくれる応援歌だ。「カナデアイ」は、テレビ東京系アニメ『双星の陰陽師』のオープニングテーマを飾るエモーショナルなポップチューンに仕上がっている。トークの真剣さから、人間力の高さが伝わってくる熱い二人に話を聞いてきた。
TEXT:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
--イトヲカシといえばメジャー・デビュー後も継続して全国路上ライヴ・ツアーをやられてきましたが、場所によっては数千人集まる状態となってますが、新たな発見などありましたか?
伊東歌詞太郎(以下、伊東) 男性のお客さんがどんどん増えてますね。あと、会場が駅から離れていることもあって親御さんと一緒に車で来る方が増えています。年齢層の幅が広くなっていますね。下はね、もう本当に新生児までいて。
--おおお、3世代どころじゃないかもしれない。
伊東 赤ちゃんは、たぶん自分の意思ではないと思うんですけど(笑)。
--音楽の情操教育になりますね(笑)。
伊東 ぼくらは、世代を超えて楽しんでもらえるポップ・ミュージックを志しているので、老若男女っていうのは狙っていたところなので嬉しいですね。
宮田“レフティ”リョウ(以下、宮田) その中でママ友パパ友のコミュニティーが生まれたり。ありがたいことですね。
伊東 路上ライヴは、“ありがとうの言葉”をこちらから直接伝えるためにやっているんですが、そこで生まれた会話からいただいているものも大きいんです。実は受験生の方もたくさん来てくれるんですよ。少しでも背中を押すことができればなと「さいごまで」という応援歌が生まれました。
--受験って、いま思い返せばですけどテンションをあげたり、モチベーションを維持したりするのに、音楽に助けられていたことを思い出します。二人は受験といえば、どんなエピソードを思い出しますか?
伊東 バンド時代にアルバイトで塾講師や家庭教師を長くやっていたんです。そこで、受験生の気持ちを大人になって教える立場になってから、強く受け止めたことが忘れられませんね。自分が学生のころはよくわかってなかったんです。
--「さいごまで」という楽曲を聴かせていただいて、受験勉強で学ぶことって、そもそも問題に立ち向かう姿勢を学べることがめちゃくちゃ大事なんだなって、ぼくも大人になってから気がつかされました。
伊東 例えば、数学の「三平方の定理」なんて大人になってから何に使うんだろうって思ってましたけど、実は問題を解決する時の頭の動きを訓練していたんですよ。大人になっても生きていると色々な問題って起きるんですよね。そんな問題が起こった時にどう解決していくかっていう能力の訓練だったんですよ、勉強って。だから三平方の定理とか、いろんな課題とかは、使わない無駄な知識のようでいて一切無駄なんてないんですよね。
--勉強=成長できるいいタイミング、きっかけのひとつってことかもしれませんね。
伊東 そうなんですよ。本当はね、うん。
--それこそ、勉強するときの集中方法などでこだわりとかありました?
宮田 当時、Jラップが流行っていたので、カラオケにラップを乗せて歴史を覚えるっていうのやってました(笑)。
--マジすか。かなり高度な。
伊東 それやばいね(笑)。
宮田 “ヘイYO! 参勤交代〜”みたいな。
一同 (爆笑)。
宮田 当時、音と一緒に暗記をすると覚えるっていうメソッドがあったんですよ。記憶のスイッチになるんですね。
伊東 あ〜、それわかるかも。俺は暗記方法で頭からつま先までを使うんですよ。で、頭って髪の毛が生えているじゃないですか? 髪の毛を自分で連想するとそれに紐づけてその人物。眉毛で人物と、時系列順に自分の体に覚えたいことを当てはめていくんですよ。指に傷があったら痛いじゃないですか? この痛みは藤原定家だと覚えるんですよ。