99年にデビュー。13年のキャリアを誇る韓国バラード界の女王であり、OST(オリジナルサウンドトラック)界の女王として幅広い世代から高い人気を得ている彼女、ペク・チヨン。ドラマ『アイリス』のOSTから「忘れないで」、『最高の愛』から「I Can't Drink」、『屋根部屋の皇太子OST』から「とうに過ぎて」などなど数多くのOSTヒットを発表し、日本でもドラマを通じて、その歌声はよく知られているに違いない。
つい最近、9歳年下の俳優チョン・ソグォン氏との結婚を発表したばかりで、話題となったばかりだが、そんな彼女がついに日本デビュー。5月1日に、ヒョン・ビン、ハ・ジウォン主演のドラマ『シークレット・ガーデン』のOSTからの大ヒット曲「ク ヨジャ」の日本語版「その女」でデビューを果たし、そのデビュー日に、赤坂ブリッツで日本初のショーケースライヴを行い、満席となった会場は、彼女の哀愁ある歌声に包まれた。
そんな彼女に、彼女の音楽・歌に賭ける想いと、日本デビューについて、そして、結婚についてなど、幅広く話をきいてみた。
ペク・チヨン(以下ペク):ありがとうございます。とっても緊張しています。わくわくしていますが、自分にとってはキャリアの中で久々となる新しい挑戦ですから、わくわくよりも緊張の方が大きいです。
ペク:正直、日本デビューの時期がもう少し早かったら「忘れないで」(ドラマ『IRIS』OSTより)を選んだかもしれません。でも、今の日本で日本の方々がよく耳にする曲の方がよいと思い「その女」をタイトル曲にしたんです。ただ、今回日本の方にも愛されている曲「愛さない」も日本語で歌わせていただきました。
ペク:今回の日本デビューが決まる前にも、何度か日本でドラマプロモーションなどを通じて、日本のステージに立たせていただいたのですが、その時に、ファンの皆さんから温かさを感じたんです。私に対して、情熱的に、大声で叫んで応援してくださる方は少なく、眼差しも、いただいたお手紙も、全てが温かかったんです。 そのような感性が私によく合うんです。お互い、信頼しあっているというか・・・。そんな気楽で、恋人同士のような関係といえば良いでしょうか。もちろん、韓国にもそういった方もいらっしゃいますが、日本でその“思い”を感じられたということが、とても心に響いたんです。そういった言葉を超えた心の会話といえばよいでしょうか。歌を通じてそれが実現できること。それが私にとって日本進出の大きな意味だと思っています。
ペク:私は全く気になりません。バラードを主に歌いますから、ファンの方一人一人と目を合わせながら歌っていても、皆さんが、何か他の事を考えていたり、他の事をしている方なんて見たことがありませんから。自然に共感し合っていると、私は感じています。何よりも、韓国ではない日本という私にとっては外国で歌っていますが、韓国からとても近い国で、感性も似ているところが多いですから、特に不安に感じたことはないですね。
ペク:ありがとうございます。本当にうれしいです。結婚する時期が決まっているわけではありませんでしたが、自分の年齢の事も考えると、早くしなきゃと思っていた所に、彼が私の事を考えてくれて、プロポーズしてくれたんです。当然、迷わずすぐにOKと言いました(笑)。
ペク:結婚そのものは、人生でとても重要な瞬間で、貴重な経験だと思います。とっても幸せですが、その一方で、音楽を愛する人間として、歌手として、不安な気持ちがないかといえば嘘になります。でも、この経験が、自分をより成長させてくれると思いますし、歌手として、この経験が、歌を歌う時にも生きてくると思います。韓国では私の声を聴いて、韓国人特有の情緒である、恨(ハン)があるとよく言われるんですが、結婚をし、遅からず子供を授かったら、これまでは愛の歌を歌ってきましたが、より深い人生の歌、そして、家族の歌も歌えるでしょうし、こうした歌を歌う時も、その歌詞をより深く理解できるようになると思うんです。
ペク:曲目リストをみて、あー、もっと時間があれば・・・と思ったんですよね。日本での初の単独ステージですから、あれもこれもっていう欲が出てきました。チケットがすぐにソールドアウトになったんですよね? もう少し、大きな会場にしていれば良かった(笑)。それは冗談ですけど、最終的に、今回は、ショーケースですから、日本の皆さんに、どうしても聴いてもらいたい歌を厳選して選ばせてもらいました。韓国では数千人単位の会館でコンサートを行うことが多かったのですが、ファンのみなさんと、凄く近い距離感で歌を歌えた喜びを感じています。皆さんに、温まってもらえるような、そんなステージをまた近いうちにできればと思っています。まだスタートラインに立ったばかりですから。