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【ガンダム主題歌雑学】
富野監督によるクリエイティブ確認が厳しかった伝説!? Vol.1

時代をこえて歌い継がれる名曲たち!

『機動戦士ガンダム』といえば、いまからさかのぼること35年前、テレビ・シリーズとして1979年に誕生。いまもなお続編が増殖中の日本を代表する国民的アニメ/SF作品です!

そんな主題歌&テーマソングといえば、時代をこえて歌い継がれる名作ヒット曲がいっぱい。

誰もが聴いたことのある、“燃えあが〜れ”でお馴染みの『機動戦士ガンダム』(1979年)の主題歌「翔べ! ガンダム」。実はこの歌詞を『機動戦士ガンダム』の生みの親、富野由悠季総監督が、井荻麟(いおぎりん)名義でてがけているのはご存知ですか!? その後放映された富野監督によるレジェンドなアニメ・シリーズ『伝説巨神イデオン』(1980年)、『戦闘メカ ザブングル』(1982年)、『聖戦士ダンバイン』(1983年)、『重戦機エルガイム』(1984年)の主題歌&テーマソングも、歌詞は、井荻麟名義で富野監督の手によるものだったりします。ちなみに、アメリカのロックシンガー、アンドリューW.K.による「翔べ! ガンダム」のカバーも必聴です!

谷村新司、やしきたかじんが関わることでポップスへアップデート!

1981年にリリースされた映画『機動戦士ガンダム』の主題歌「砂の十字架」は、富野監督によるプロデュースとして、ニューミュージック界の巨匠、谷村新司さん(※24時間テレビでお馴染みの「サライ」、「昴」のヒットでお馴染み)の作詞曲で、大阪では知らない人はいない、今年亡くなられた、やしきたかじんさんが歌ってヒットしました。
続く映画『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』(1981年)の主題歌「哀・戦士」は、作詞を富野監督(井荻麟名義)が担当し、作曲とボーカルを、グループサウンズで一世を風靡した井上大輔さん(※元ジャッキー吉川とブルー・コメッツ)がてがけ大ヒットしました。当時の富野監督は、アニメ主題歌を子供だけのものではなく、大人も楽しめるエンタテインメントとして狙っていたことがうかがえますね。「哀・戦士」などの曲は、平成以降もガンダム関連ゲームでとりあげられ、若い世代にも知られています。こちらもアメリカのロックシンガー、アンドリューW.K.による「砂の十字架」、「哀・戦士」のカバーがヤバいです!

米オールディーズ曲をテクノポップに再構築してヒット!

現在アメリカのヒットチャートを見渡すと、テイラー・スウィフトやケイティ・ペリーなど、80年代サウンドに影響を受けたポップスが注目を集めています。1985年に放映された『機動戦士Ζガンダム』の主題歌「Ζ・刻を越えて」は、実は、60年代に活躍したアメリカを代表するオールディーズ歌手ニール・セダカによるアルバム『SOLITAIRE』(1971年)の12曲目に収録された、ボサノバ・テイストな原曲「Better Days Are Coming」を、80’sっぽいテクノポップなアレンジをほどこし、富野監督が日本語詞をつけたナンバーだったりします。この座組は、当時の音楽シーンにとって画期的な試みだったといえるでしょう。しかし、後に権利問題的に複雑となり、『機動戦士Ζガンダム』での再放送では「Ζ・刻を越えて」がオンエアされることはなくなりました。

何度も作り直されたTM NETWORKヒット曲!

富野監督は、アニメ作品自体はもちろん、音楽にもとても厳しいこだわりをもたれている方として有名です。映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)の主題歌となった、TM NETWORK「BEYOND THE TIME 〜メビウスの宇宙を越えて〜」では、小室哲哉率いるユニットTM NETWORKの人気絶頂期ながら、楽曲に対して細かいチェックを入れ、なんども作り直しされて、あのアニメ史上語り継がれる名曲が誕生したそうです。小室さんも当時を回想して「頭のイントロ勝負でしたね。それで、ここから転調の面白さを感じたんですけど、Bメロで転調しているれけど、メロディはAメロと一緒なんですよ。何も変わってないんですけど、全然印象が変わるという。」と、こだわりのポイントを語られています。

Vol.2は、11月21日(金)更新!

ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、WHAT's IN?、BARFOUT!などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、TM NETWORKツアーパンフレット『Incubation Period』、『the beginning of the end』、『QUIT30』執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TK編』(ぴあ)が絶賛発売中!
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