「かねてからライブ会場のテーマパーク化を目指していましたが、リアルにテーマパークになりました。後ろの映像と合わせて、シーンが変わっていくなかで、色々なアトラクションに乗った気持ちになってもらえたんじゃないかと思います」(日高)
伊藤千晃は「達成感」、宇野実彩子は「私たちらしさ」という「一言」。
「憧れのドームに立つにあたって、体力面、メンタル面の調整、ステージ構成、ヘアメイクなど、喜んでいただくためのすべてに全力で挑んだので、達成感を味わうことができました」(伊藤)
「会場の大きさや環境、状況に踊らされずに、ファンのみんなとメンバーとスタッフとで一歩ずつ作り上げてきたAAAらしさを発揮できたと思います。華やかななかで、温かさ、せつなさ、青さ、いろんな心模様を共有できて幸せでした」(宇野)
MisaChiaとしてのふたりのシーンは、あれが最後だったんだなと思うと感慨深い。浦田直也、與真司郎、西島隆弘からはそれぞれ、「最高!!!」、「awesome」、「感謝」という言葉が届いた。
「誰もが立てるわけではないあの場所で、ここまで頑張ってきたAAAと応援してくれる皆さんと、最高の時間をすごすことができました」(浦田)
「とにかくいいライブができたという意味で“awesome”。ファンのみなさんに感謝感謝です!!」(與)
「みなさんと一緒に歌って、聴いて、感じて、あの素晴らしいドームの景色が観られたのは、関わってくれた多くの方々のおかげです」(西島)
映像にあるメンバーの清々しい表情を観ればきっと、この3人のコメントにも「うん、うん」とうなずかずにはいられないだろう。「途中」と答えたのは末吉秀太だった。
「新しい環境、新しい曲、新しいオーディエンス、いろんな新しいに包まれたなかで、実はゴールではなく、まだまだ続く旅の途中なんだと感じていました。あのライブで、新しい未来に向けての第一歩をまた踏み出せた気がします」(末吉)
今やメンバー全員がアラサー。今後それぞれの人生の充実とともに、AAAの「次」の選択肢はさらに広がっていくことだろう。伊藤がくだした「卒業」という決断もその選択肢のひとつ。そう未来志向でとらえれば、けっして寂しくはない。7人で歩んできた「栄光の道」は、この『AAA Special Live 2016 in Dome-FANTASTIC OVER-』のなかに永久に刻まれているのだから。
text by 藤井美保
大学卒業後、音楽関係の出版社を経て、作詞、作曲、コーラスなどの仕事などを始める。
ペンネーム真沙木唯として佐藤博さん、杏里さん、鈴木雅之さん、中山美穂さんなどの作品に参加。
その後、音楽書籍の翻訳なども手がけるようになり、93年頃からはライターとしてのキャリアも。
音楽への愛、作り手への敬意をしのばせた静かな筆致で、数々のトップ・アーティストを紹介してきている。