頭出しは、曲を流し続けるDJにとって最も基本的で、かつ技術を問われる重要な作業。いつも曲を一番はじめから流すとは限らないので、再生したい箇所まであらかじめ早送りして、そのポイントを手で押さえておく必要がある。レコードを使うDJの中には、目で確認できるように頭だしの箇所にシールを貼っておくことも。
英語で「繰り返し」という意味の「リフレイン」の略。曲の中で何度も短く繰り返し出てくる、覚えやすいメロディのことを言う。シンプルでカッコよくノリやすいリフだと、フロアが盛り上がること請け合いだ。1980年代に登場したスラングで、ロックやジャズについて用いられたのが始まりのよう。
漢字で書くと「店泊」。オールナイトのイベントや、遠方での営業の場合、家に帰ることができなくなってしまう。また、お酒を飲んでいれば車を運転できないし、終電がおわってもタクシー代なんてそうそう払えないってことも。家に帰れないような出演が続くとテンパクが何日も続くことになり、DJはなかなかしんどい体力仕事でもあるようだ。
「ハウリング」の略。マイクがスピーカーの音を拾って、さらにまたスピーカーから音が流れた結果、大きくて不快な音を響かせることがある。このため、「音が回る」と表現することも。カラオケBOXなどのマイクでもよく起こる現象だ。これをやると、「ハウってるじゃん!」とフロアからヤジが飛ぶのでご注意を。
「ぶっこみ」とも言う。次の曲に移るタイミングや曲どうしの音量を間違えると、ビートが乱れてしまってお客さんがずっこける。だから、次につなげる曲の頭だしを慎重に行う必要アリ。一方、曲のボリュームを徐々に下げつつ、次にかける曲のボリュームを徐々に上げて自然につなぐ技を「フェイドイン」という。
2曲の足並みがズレて、ドタバタした感じに聞こえることから。新米DJにありがちなミス。踊っていたお客さんはリズムを乱されて、足が止まってしまう。逆に、ドタるDJを見るのを楽しみにしているドSなお客さんもいるとかいないとか。
本来は、英語で聖歌、讃美歌、祝歌という意味。転じて、みんなに親しまれている歌を表す。アンセムは、ジャズ、テクノポップ、レゲエ、ヒップホップなどなど…クラブミュージックのジャンルによって、「コレコレ!」というものがあるよう。よりディープな楽曲を期待する通い慣れたお客さんには、ウケが悪いことも。
「ワンオフパーティー」の略。ここでいうパーティーは、クラブなどで開かれるDJによるイベントのこと。そしてワンオフとは「one off」と書く和製英語で、一度限りで終了という意味。パーティーには、このワンオフパーティーと、定期的に開かれる「レギュラーパーティー」がある。
1分間で打つリズム、という意味の「BEAT PAR MINUTE(ビートパーミニッツ)」の略。「ピッチ」とも呼ばれ、このリズムの回数で曲のスピードが決められる。アップテンポなのかスローテンポなのかは、このBPMを見るとわかるのだ。ちなみに、ヒトの心拍数はだいたい1分間で60から80。これに対し、ヒップホップはだいたい90から110、テンポが速いテクノだと120から140くらい。
海外ではたいていクラブそのものに専属のDJ=レジデントがいる。日本ではクラブ専属DJはあまりいないよう。代わりに、いつも同じパーティーに出演するパーティー専属のレジデントが多い。レジデントが単発で出演する「ゲストDJ」を招くなどして、交代しながらターンテーブルを回すことも。