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古家 正亨のK-Musicアーカイブス

Vol.03 CODE-V/男性ヴォーカルグループ

ラジオDJ/テレビVJ/韓国大衆文化ジャーナリスト
上智大学大学院文学研究科新聞学専攻博士前期課程修了。
98年~99年韓国留学。帰国後00年に日本初のK-POP専門番組
「Beats-Of-Korea」(FMノースウェーブ)を立ち上げる。
04年~韓国MTVで日本人としては初となるVJとしてJ-POP番組
「MTV J-BEAT」の進行を担当。
現在、テレビ・ラジオ併せて10本のレギュラーを持ち、日本にK-POPの真の魅力を伝えようと努力している。
韓国観光名誉広報大使、韓国食と農産物広報大使、
2009年には韓国政府よりK-POP普及に貢献したとして、文化体育観光部長官褒章を受章。

http://furuco.petit.cc/
 いよいよ新年度がスタート。日本におけるK-POPのいわゆる“ムーブメント”もKARAのブレイクから考えると3年目に突入となる。しかし、ヨン様ブームの時と状況は変わらず、KARAと少女時代という大型コンテンツに市場は牽引され、数字の面から考えると、他の日本進出グループで突出した人気を得ているグループは彼女たち以外存在しないというのが現状である。韓国国内でもアイドル人気は2011年失速気味となり、オーディション番組出身アーティストや90年代から00年代前半に人気を得た歌手達が音楽界の中心を担ったが、その波、つまり“アイドル失速”の波は2012年の日本に遅からず到達することになるだろう。やはり、歌って踊れるだけのグループでは“個性”を重視する日本の市場ではそう長くは人気をキープし続けることは出来ない。
 そういった状況の中で、アイドルといってもその突出した“歌力”で勝負を仕掛けようとする動きが日本でも加速している。女性ソロアーティストのIU(アイユー)や男性ヴォーカルグループ2AMがその筆頭にあげられるが、彼らの事も決して忘れてはならない。CODE-Vである。韓国では“苦労ドル(苦労人アイドル)”と呼ばれた時期もあった彼らが日本市場を目指す目的は何なのか。日本でのメジャーデビューを目前に控えた彼らに話を聞いた。

― CODE-Vの誕生は?

ナロ:実は、最初はCODE-Vという名前で活躍していたわけではなかったんです。“ブレス”という名前で2007年にデビューしたんです。
サンウ:でも最初はうまくいかなくて、辛い時期がありました。メンバーそれぞれがアルバイトをしながらも心の中で「どうしても歌いたい」という気持ちがあったので、心機一転、CODE-Vとして活動出来たのだと思います。それが2010年でした。
ナロ:“ブレス”として活動で結果を出せなかった訳ですが、メンバー全員、大人なわけで当然、食べていかなくてはならなかったわけです。ですから、活動していない作品と作品の間に、韓国の場合、お休みの時期がありますよね。その時は、みんな食べていくためにアルバイトをしたり、ビジネスを立ち上げるメンバーもいたぐらい、厳しい状況でした。でも、そんな状況が辛かった訳ではなく、みんな歌を歌いたいメンバーが集まってグループを結成したのに、こうした食べるための仕事をしていると、どんどん“歌の世界”から自分たちが遠ざかっていってしまうと言うことに、寂しさと心苦しさを感じたんです。

― 韓国の場合、どうしてもアイドル以外はなかなかテレビに出られない、メディアもなかなか取り上げてくれない・・・という本当に厳しい状況があるじゃないですか? ま、この1、2年大きな変化があったとは言え、CODE-Vのデビュー当初は厳しかったですよね。このような状況の中では、実力派のアーティスト達が活躍するのは、かなり難しいと思います。そんな状況をどうやって打破してきたのですか?

ソル:CODE-Vの場合、全員がリードヴォーカルをとることが出来るグループなので、歌重視のヴォーカルグループですから、確かに韓国では辛かったですね。今は、パフォーマンス重視のグループがもてはやされますから。ですから、これからどうやってこの状況を乗り越えなくてはならないのか・・・メンバーで真剣に何度も話し合いました。そんな時に、僕らの場合、日本からのアプローチがあったんです。「君たちの音楽に関心を持っている人がいるので、日本で一度頑張ってみないか」と・・・思っても見なかったラブコールを受けたんです。ですから、こうして歌を歌えるという環境を与えてくれたということに、凄く感謝していますし、とにかく嬉しいです。

― 日本人は、CODE-Vのどんなところに魅力を感じていると思いますか?

ソル:CODE-Vの魅力はやっぱり歌ですけど、それに加えて親近感じゃないかなぁと思うんです。

― その親近感はどこから沸き出てくるモノなんですかねぇ?

全員:トシ、年、歳!(笑)
ナロ:他のグループの人たちは、チョコレート腹筋(注:お腹が板チョコのように割れている様子)を持っていたりしますからね~、僕らは小腹も出ているし(笑)。たぶん、会社の規模にもよるのかなぁと思います。日本で活躍しているグループは、大手の芸能事務所に所属していますから、常に神秘的な存在でなければならないという状況に置かれているのではないでしょうか。完成された、完璧なモノでなくてはならない・・・という。でも僕らはそういったアプローチではなくって、自分たちの素の姿を皆さんにお見せすることで生み出せる親近感をもって、そして歌でアプローチする・・・このファンの方とのアクセス手段が根本的に違うところから生まれる雰囲気が、親近感につながっていると思うんです。

― なるほど。ところで、日本のファンはCODE-Vの事をドラマのOST(※)で知ったという人が多いんですが、韓国でもOST歌手としてCODE-Vのことを知ったと言う人が多いようですね。

ソル:ドラマの視聴率にもよりますが、僕らのような新人グループにとっては、OSTに参加することで得られる認知度という点で、貴重なチャンスになると思います。日本のファンの皆さんも、ほとんどの方が、僕らをOSTで知ってくださったと聞いています。ですから、ドラマのOSTの参加は・・・何度も言いますが視聴率にもよりますが・・・参加することでチャンスにつながると思います。

― 確かに韓国のドラマOSTは、新人の登竜門として、韓国の音楽界に欠かせない存在であると思います。単独デビューは出来なくてもOST界で活躍しているアーティストもたくさんいますし。でも、最近、音楽不況を受けてか、安定して人気を得られるOST界に人気歌手やアイドル達も進出していて、もともとOST界で活躍していた人たちのチャンスが減りつつあるのも現状ですよね。そういった中で『ジャイアント』や『製パン王キム・タック』のような人気ドラマのOSTに参加できたのは、凄いと思いますよ

ルイ:もちろん、事務所の力もあると思いますが、僕らの持つ特殊性が評価されたからではないでしょうか。5人から生まれるハーモニーが、ドラマの場面に合っていたのだとドラマのプロデューサーさんから言われました。なので、そういったヴォーカルグループとしての必要性がドラマにあったから、僕らが起用されたのだと思います。

― 全員がメインをはれる皆さんが、どのようにしてパートを決めて、ハーモニーを作り上げていくのか、気になります。

サンウ:確かに5人ともメインをはれると思いますが、曲ごとにその曲のカラーに合う人が必ずいると思うんです。ですから、曲ごとにパートを定めていくというのがCODE-Vのスタイルです。
ソル:メインヴォーカルは、そのように決めていきますが、当然高音が得意なメンバー、低音が得意なメンバーがいますから、コーラスに関しては自然と決まっていく感じですね。

― そして、ついに5月に日本でメジャーデビューを果す訳ですが、去年の12月に日本で珍しいプレデビューシングル「Addiction ~ 君なしでは生きられない ~」をリリースして約半年、プロモーション活動を行ってきましたよね。この6ヶ月は、CODE-Vにとってどんな時間になりましたか?

ルイ:日本全国をキャンペーンで回っていますが、ファンとの共感が得られる貴重な時間になっていると思います。
ナロ:ファンの皆さんが僕らに何を求め、そして、僕らが何を出来るのか・・・そういったことも直接感じることの出来る時間になったと思います。

― 正直、日本デビュー曲(「君がくれたもの」)がバラード曲で個人的に良かったです。やっぱりCODE-Vの魅力は、バラードで開花すると思っている人は多いと思うんですよ。

サンウ:このデビュー曲を決めるにあたって本当に苦労しました。事務所の人やレコード会社のスタッフ、そして、僕らで何度もミーティングを行って決めた曲です。CODE-Vの最大の武器は何かと考えた時に、やはりそのコーラスワークと歌だろうと・・・なので自然とバラードにしようという方向性は決まりました。
ジェウォン:完全に日本オリジナル曲ということで、韓国語詞の曲を日本語詞に変えるという作業ではなく、直接日本語から入った楽曲なので、発音や感情表現での苦労はありましたが、でもやりがいのある作業でした。

― 今日本で共同生活されていますよね?

ソル:最初日本で生活しはじめた時は、家族も友達もいない中で寂しかったです。でも、今ファンの皆さんのおかげで忙しく過ごすことができて、今では、寂しいとか辛いということは全くなく、凄く幸せな時間を過ごしています。
ナロ:日本の料理にはすぐになれました。今では、韓国料理を食べると辛く感じます(笑)。
ルイ:韓国にたまに帰っても、みんなで日本食のお店に行くぐらいです。
サンウ:僕はしょっぱいものが苦手で、日本に来た時は、日本の料理が少ししょっぱく感じていたんですが、今は、メンバーの中で一番しょっぱくして食べてます(笑)。

― では、これから本格的に始まる日本デビューに向けて、CODE-Vの目標を聞かせてください。

サンウ:僕たちCODE-Vは、SMAPさんのように、長く愛される国民的なグループになるのが夢です。
ソル:そしてCODE-Vは、日本の皆さんにとってより身近な存在になりたいです。これからも頑張りますので、僕たちCODE-Vをぜひ応援してください。
ナロ:僕ら5人は音楽に対する欲心が多く、やりたいことも多いので、とにかく作品1枚1枚を丁寧に、クオリティの高いものを作っていきますので、期待してください。
ルイ:僕たちCODE-Vは、これからもいい曲といいライヴでみなさんとたくさんお目にかかれるように頑張ります。
ジェウォン:日本でも評価される歌手になれるように、心を込めて1曲1曲歌っていきたいと思いますので、応援宜しくお願いします。
。

※OST
Original Sound Trackの略称。日本では主にサントラという略称が使われることが多いが、韓国ではOSTと呼んでいる。かつては、OSTだけで活躍する歌手が多く、そういった歌手のことをOST歌手と呼んでいたが、ここ数年の音楽不況の影響で、自身のアルバムやシングルを発表できない歌手やアーティストが急増し、そういった歌手の受け皿的要素が増し、OSTだけで活躍する歌手が少なくなりつつある。その為、かつては新人の登竜門的存在だったOSTが、そういった役割はオーディション番組へと受け継がれつつある。

CODE-V

ナロ、ルイ、ジェウォン、サンウ、ソルの男性5人から構成される男性ヴォーカルグループ。
2010年6月にデビュー。韓国で大ヒットしたドラマ『ジャイアント』『製パン王キム・タック』のOSTに参加し、日韓両国で注目を集め、2011年日本でプレデビュー。2012年5月30日にシングル「君がくれたもの」でメジャーデビューが決まる。
夏には東京と大阪でワンマンライヴも決定。
7月28日(土)が東京・SHIBUYA-AX、8月9日(木)が大阪・なんばHatchでそれぞれ行われる。

CODE-Vオフィシャル
http://www.dreamusic.co.jp/sp/code-v/addiction/index.html
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