やくしまるえつこは、数年前に相対性理論のリミックスを行ったときから知っている。
今回のやくしまるえつこの新しいアルバムはとても大きな変化で、少なからず私は予測していなかった方向へと進化している。
このアルバムは、今日のエクスペリメンタル・エレクトロ作品の素晴らしい実例である。
全ての音楽的アイディアがとても良い地位を占めている。
細部の全てが正確に位置づけられていて、とても挑戦的で、且つ美しい音波の体感である。
Fennesz
--------------------
やくしまるえつこ、「Yakushimaru Experiment」名義による即興・朗読・数字を扱う実験コンセプトアルバムが発表。commmons10周年を記念して2016年3月30日にリリース。
やくしまるが素数を譜面化&聴覚化した楽曲や、やくしまるのオリジナル楽器“dimtakt”をはじめとしたオリジナル楽器演奏者による14分にもおよぶ大作即興セッション、更にフィリップ・K・ディック賞受賞SF作家・円成塔がやくしまるの朗読の為に書き下ろした特殊な構造のテキストをやくしまるが朗読+即興演奏した「タンパク質みたいに」などを収録した“Science&Future&Experimennt”アルバム。
円城塔は、やくしまる及び本作品を評して「人力、世界シュミレーター」とコメントを寄せている。ライナーノーツには円城塔書下ろしによる本作品に捧げるテキストとNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員・畠中実によるアルバム解説が収録される。