オカリナ発祥の地イタリアから、オカリナ7重奏による素晴らしいアンサンブルのCDが登場!
(1)オカリナについて
オカリナはイタリア、ボローニャ県の小さな町であるブードリオで1853年に菓子職人、ジュゼッペ・ドナーティが、お菓子用の釜で今のオカリナの形を作り、西洋音階の音が出るようにしたのが始まりです。(音の安定と音域のため、小さな穴を2つ増やして今の形にしたのは、日本人の明田川孝氏です。)
その後、5種類の異なるサイズのオカリナが作られ、ドナーティを中心としたオカリナ5重奏団が結成され、イタリア各地で演奏活動をスタートさせます。
それ以来、オカリナは合奏で演奏するというスタイルが定着しました。ジュゼッペ・ドナーティを元祖とするオカリナ製作に於ける優れた技術は、ブードリオでは現在に至るまで5代に渡って受け継がれています。
なお、G.O.B.も代々その伝統ある窯で作られたオカリナを使用しています。
(2)オカリナ7重奏について
イタリアで伝統的に作られるオカリナの形態は卵形で両端が尖っており、とても美しい形をしています。
7重奏は、ソプラノ・アルト・バスのC調とG調の5種類の大きさのもの、さらにそれに2個を加えて7種類として、4オクターブ半の音域を出せるものまで作られています。
(3)G.O.B.について
1863年に結成。現在のG.O.B.のメンバーは、1978年に当時20〜30代の演奏者であり、現在も彼らが中心となり、ブードリオで培われたオカリナの伝統音楽を今に伝えています。代々G.O.B.のメンバーにはブードリオのオカリナ学校で教育を受けた優秀な奏者達が参加しています。
2011年にはイタリア文化省によってイタリアの文化遺産として認定されました。演奏活動も精力的に行っており、イタリア国内では1000回を越えるコンサートを行い、さらに海外へと活動を広げ、特に韓国では2010年に3000人を越える観客を前に公演を行いました。CDは「セビリアの理髪師」(ロッシーニ)を始め、ヴィヴァルディの「四季」、ワールド・ミュージックを演奏した「コンテンポラリー・アース」などをリリースしています。
■レコーディングメンバー
1st ocarina: Fulvio Carpanelli
2nd ocarina: Fabio Galliani
3rd ocarina: Marco Venturuzzo and Simona Vincenzi (tracks 3,10)
4th ocarina and Gob Artistic Direction: Emiliano Bernagozzi
5th ocarina: Piero Callegari and Marco Venturuzzo (tracks 3,10)
6th ocarina: Gianni Grossi
7th ocarina: Giulio Bondanelli
(4)本作について
本CDはカンツォーネとナポレターネ(ナポリ民謡)に対する敬意を表した作品です。本CDの様な選曲による録音は初めてであり、オカリナ7重奏という演奏形態においても、新たな創造の可能性を考えながら制作しました。
さらに5曲目では女性ボーカル(マルタ・アバテマッテオ)、6曲目ではナポリ生まれの楽器マンドリン(セルジオ・ジギオッティ)、8と13曲目ではクラリネット(コラード・ジウフレディ)との共演を行っているほか、18曲目でエレキベースを中心にしたクラブ・ミュージックとの共演を行っています。伝統の枠に止まる事なく、新しい地平に飛び出していこうとする意欲が伝わって来ます。
アレンジは3,6,9,14,15,17曲目をジュセッペ・パルミジャーニ。2,11,12曲目を若いピアニストで作曲家のダニエル・フルラーティ。1,4,7,10曲目をG.O.B.のアート・ディレクターのエミリアーノ・ベルナゴッジ。5,18曲目はティジアーノ・ポポリ。8,13曲目はステファノ・メディオリ。そして16曲目はG.O.B.のメンバーでもあるピエロ・カレガリです。
イタリアならではのオカリナの演奏スタイル―“合奏”のおもしろさ、美しさを十分に伝えるアルバムです。