ボクをアリスと呼ぶ声が聞こえる。いや、ボクはアリスじゃない。キミは一体誰なんだ?うなされて夢から覚める日々。
そしてあの夏の日、ボクをアリスと呼ぶ少女に出会った──。
転校してきたばかりの少女は、名前をラビィと言った。
透き通るように白い肌の少女は、不思議そうな顔をしてボクの目をのぞき込んだ。
「なぜ、自分のことをボクって言うの? 女の子なのに」
「ボクは……男の子のように強くなりたいんだ……」
「そう。じゃあ行きましょ。アリス」
そう言ってラビィはボクの手をとった。
その瞬間、ボクたちは暗闇に吸い込まれ、目覚めた時には赤の女王が支配するワンダーランドにいた。
チェシャと名乗る少女が現れて言った。
「待っていたわ」
その時、ボクは気付いた。
赤の女王と戦うために、ボクはアリスとして召還されたということを──。
女の子の愛と友情、そして絆を描く新世界ファンタジー!!
<登場人物>
アリス
ラビィ
赤の女王
チェシャ
ドードー
帽子屋
三月ウサギ
ネムリネズミ
ほか