透明感あふれるYUKAの歌声と、柾が生み出す極上のメロディで、2007年のポップシーンを揺るがす期待の新星、moumoon(ムームーン)がいよいよメジャー・デビュー。その幻想的で凛とした音像はいかにして生まれるのか?
――いよいよメジャー第1弾ミニ・アルバム『love me?』が完成しましたね。
YUKA: 本当に魂を込めて作ったので、出来上がったときすごい嬉しくて。今も愛着があって、何度も聴いちゃってるんです。
柾:初めて聴く人に“これがmoumoonか”ってわかってもらえるようなサウンドを全6曲に込めようと思って頑張ったんですけど、いろんなことが実現できて本当に良い仕上がりになりました。
――6曲それぞれ聴いた印象がまったく違っていて。すごく振り幅の大きなアルバムだと思いました。
柾:今回はたくさんのエンジニアさんやアレンジャーさんに参加していただいたので、すごくバリエーションが出て。ロックっぽいサウンドだったりキレイな歌ものだったり、いろんなやり方が勉強できて良かったと思います。
――例えばパワフルなサウンドが印象的な1曲目の「SWEET HEART」と、キュートな印象がある2曲目の「my darling」では、かなり印象が違いますよね。
柾:「SWEET HEART」は、実は2人が出会った頃にすでにできていた曲で。アレンジも詞も徐々に変えていきながら、今の形になったんです。
YUKA:すごく大切な曲のひとつなので、長い間あたためた結果、このタイミングにこういうカッコいい状態で出せるのはバッチリだったと思います。逆に「my darling」は最近できた曲。言い方は変だけど、かなり遊んで作った曲なんです。
柾:もともとサビの1センテンスしかメロはなかったんですけど、それを聴いたYUKAが“すごくいいね”って言ってくれたので、“じゃあ出す?”みたいな軽いノリで(笑)。
YUKA:最初聴いたときは、ものすごくテンポが速くて“こんなの歌えないよ!”って感じの曲だったんです(笑)。でも、なんか面白いなって思ったから進めていって。
柾:失敗するとメチャクチャになっちゃう可能性もあった曲なので、うまくいって良かったです。これを聴いて、“moumoonにはこういう楽しい感じの曲もあるんだな”って思ってもらえたらいいですね。
――そもそも、曲作りはどのように進行していくのですか?
柾:もともとは先に僕がメロディを作って、そこにYUKAが詞をはめていく感じだったんですけど、今は互いにキャッチボールしながら一緒に作っていく感じに進化してきていて。
YUKA:上がってきた曲を聴いてイメージを膨らませて、“今こういうストーリーが頭の中にあってね、こんな言葉が胸にひっかかってるんだけど”っていう話をすると、“ああ、それはキュンとくるねぇ!”という感じになって、そこからまた互いに詰めていく。そういう作り方になってから目指すところにブレがなくなって、もっと深いところを表現できるようになってきた気がします。
――そういう意味では、「Cinderella(シンデレラ)」はmoumoonのディープな部分が出た楽曲ですね。
柾:これは、詞がすごい大変だったと思う。
YUKA:ほんと大変だった(笑)。はじめてメロディを聴いたときに、“ガラスの靴をわざと落としちゃう女の子の気持ち”みたいなイメージが浮かんで。なんか……すごく誇らしげな男性を見ていると、女としては言ってあげたくなるじゃないですか。“アナタの知らないことはこの世の中にも沢山あって、それを私はアナタに教えてあげたいのよ”って(笑)。そういうの、わかるかなあ?
柾:わかる、わかるよ!
YUKA:(笑)本当にわかってる!? そういうことをシンデレラも王子様に言ってあげたいんだっていうストーリーが私の中に浮かんできて、そこから歌詞を進めていったんです。
柾:僕がメロディを作ったときは、“美しいメロだな”ぐらいのイメージしかなかったのに、(YUKAから)返ってきた詞がすごいしっくり来て。ストーリーなんて全然考えずに作ったメロディなのに、そこに「Cinderella」というタイトルがついて、彼女なりの詞が乗っかった状態でもスッと受け入れられたんですよね。それはやっぱり、“すげえな”って思ったし、一緒にやってて楽しい部分でしたね。
――ちなみに、その“しっくり来る”部分には、どのようなものがあると思いますか?
YUKA:なんか、胸がキュンとなってミゾオチのところがズキっとする。その感覚が2人とも似てて。そういうのがmoumoonの良さなのかなって思います。
――そういう感覚は、“moumoon”というユニット名からも感じられる気がします。
YUKA:
月の満ち欠けがどんどん変わるのと同じように、私たちの曲も七変化する。でも月には普遍性もあるじゃないですか。だから私たちも“月は月である”っていうのと同じように、10年経っても色褪せない曲を作るんだっていう気持ちを込めて、“moumoon”なんです。
柾:さらにmouはフランス語で“柔らかい”という意味なので。月のように満ち欠けするサウンドでいろんな表情を見せつつ、聴く人の心を柔らかく包み込みたいなって。
――最後に、初めてmoumoonに触れるお客さんにメッセージを。
YUKA:えーっと……はじめまして、moumoonです。このアルバムを聴いてたくさんキュンキュンしてもらえたらいいなと思います!
柾:“とにかくこれを聴け!”って心の中では思いつつ(笑)、普通に楽しく聴けると思うんでゼヒ聴いてください。そしてmoumoonを好きになってくれたら嬉しいですね。
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