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【globe20周年】
女性の内面の葛藤をロックに描いた「FACE」の真実とは?【実は大人な歌詞世界】

2015年8月に、小室哲哉率いるユニットglobeがデビュー20周年をむかえる。globeのオフィシャルサイトでは新プロジェクトへ向けてカウントダウンが始まっている。

globeオフィシャルサイト

そこで注目したいのが、1996年1月にリリースした400万枚以上を売り上げたデビュー・アルバム『globe』が、現在iTunesチャートで1位に返り咲いていている現象だ。しかも、その後もTOP10内を維持しつづけている。ここから読み取れることは何だろうか? もしかしたら、デビュー以降に生まれた新しい世代にもglobeが歩んできた足跡が再評価されているのかもしれない。

globeといえば、デビュー・アルバム『globe』の後にリリースした8枚目のシングル「FACE」が忘れられない。130万枚以上セールスしたヒット曲ではあるが、本作で当時スタジオにこもりっぱなしだった小室哲哉が描いた世界観は、オルタナティヴなサウンドに乗せて女性の内面を描いた歌詞世界へ踏み込んでいることが興味深い。軽々しくJ-POPと、一言で切り捨てられない、濃密に人間を描いた魅力を感じるのだ。

1997年、リリース当時のglobeの人気はピークを迎えていた。全国ドームツアーを成功させた頃だ。今でいうEXILEのようなビッグな存在感だったかもしれない。しかし、そんな好調期にリリースされたとは思えない小室哲哉によるディープな歌詞の魅力に注目したい。テーマは、ヴォーカリストであるKEIKOをイメージしたであろう20代のOLの葛藤を描いている。大人の女性が仕事や日常生活がうまくいかないことの悩み。そして、過ぎ去りつつある青春への焦りと向き合うことから生まれた、哲学的な言葉のセレクトが絶妙なのだ。

『うたまっぷ.com』「Face」globe歌詞

楽曲は、“太陽がのまれてく”という真夜中の心理描写からはじまる。そして“反省は毎日で 悔やまれることが多すぎて 青春が消えてゆく でも情熱はいつまでつづくの”というフレーズから、自己と向き合っている様が伝わってくる。ストレスを抱えた感情の爆発が炸裂する“少しくらいはきっと役にはたってる でもときどき 自分の生きがいが消えてく 泣いてたり 吠えてたり かみついたりして そんなんばかりが 女じゃない”という言葉が胸を突き刺しつつも、サビである有名フレーズ“鏡に映った あなたと2人 情けないようで たくましくもある 顔と顔を寄せ合い なぐさめあったらそれぞれ 玄関のドアを1人で開けよう”によって、突き抜けたい様をロックなサウンドとともに共鳴している。

いつの時代でも共感を呼ぶであろう女性の内面の葛藤を、リアルに冷静に表現したオルタナティヴなロックチューン「Face」は、時代に残るヒット曲と記録されている。しかし、小室哲哉が描いた歌詞の魅力の真意は伝わっているだろうか? 90年代、当時、学生だったリスナーも多いことだろう。ぜひ、あらためて“実は大人なglobeの歌詞世界”と向き合って欲しい。自らの琴線に触れる、記憶に残り続けるフレーズと出会えることだろう。

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以上、ヒットの現場からお届けしましたー。

次回は5月1日更新

ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフレットへの寄稿、TM NETWORKツアーパンフレット・シリーズ執筆。SMAPタブロイド新聞フライヤー執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TM編&TK編』、4万字取材を担当した『氷室京介ぴあ』(ぴあ)発売中!
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