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【globe20周年】
TK音楽ライフをヒストリカルに恋愛と掛け合わせた名作ロック「FACES PLACES」の存在!

2015年、デビュー20周年をむかえるglobeが『baby globeオーディション』を発表した。いわゆる1995年、globe誕生後の世代から女性ヴォーカルと男性ラッパーを募るという企画だ。音楽文化の継承? 20周年の祭? いまだ多くは語られていない謎めいたプロジェクトだが、その動向に注目したい。

baby globeオーディション

1996年にリリースされたglobeの1stアルバム『globe』は、洋楽アーティスト2 アンリミテッドを意識したスタイルで電撃的に結成され、400万枚を売り上げた。小室ファミリーとして先んじてブレイクしたtrfによるダンスミュージックにカラオケ的な要素を掛け合わせ一般化したTKサウンドな方法論を、globeでさらに押し進めたのである。

その結果、1997年にリリースされた2ndアルバム『FACES PLACES』では、小室哲哉による私的なメッセージ性を強く感じるロックスタイルの作品へとシフトチェンジがおこなわれている。小室哲哉は、自身のユニットTM NETWORKでも見られるのだが、ダンスミュージックに振り切った後は自身のルーツであるプログレッシヴ・ロック的なロック・テイストにより戻ることが多い。そして、そのギャップが大きければ大きいほど傑作が生まれている。

“One more time ゲームやらせて 今度は私にカード切らせて あなたは甘やかしてはくれない いつも ジョークでも 嫌いって言いたくはない”

と、はじまる40万枚を売り上げたシングル「FACES PLACES」の歌い出しからは、新たな一歩を踏み出す決意表明のような熱意を感じ取れる。そして、謎掛けのように1970、1981、1984、1994、1997という年号が歌詞で続いていく。その答えは、小室自身の音楽人生に由来すると言われている。

1970年:大阪万博でシンセサイザーと出会う
1981年:バンドSPEEDWAY(東芝EMI)に加入
1984年:TM NETWORK(EPIC)がデビュー
1994年:TMNの終了
1997年:本作『FACES PLACES』のリリース

そんなヒストリカルな年号キーワードと恋愛を掛け合わせ、年代ごとにサビが激しさを増し、ハイトーン・フレーズが爆裂するロックチューンに仕上げられた「FACES PLACES」。最高の人生=“BEST OF MY LIFE”の追求とは何なのかという問いを、究極的な高音ヴォイスで極限まで高め、追い求めていく。しかし、楽曲のラストではアコースティック・アレンジによって、“I'm still, I'm still, I'm still……”とせつせつと歌われていく様からは、青春の終わり、諸行無常なせつなさが感じられる。小室ファミリー作品の大ヒットによって90年代音楽シーンのトップを走っていた小室哲哉が抱えていた心象風景があらわれている楽曲なのかもしれない。

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以上、ヒットの現場からお届けしましたー。

次回は5月8日更新

ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフレットへの寄稿、TM NETWORKツアーパンフレット・シリーズ執筆。SMAPタブロイド新聞フライヤー執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TM編&TK編』、4万字取材を担当した『氷室京介ぴあ』(ぴあ)発売中!
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