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【倖田來未】
ライブ・エンタテインメントに注目すべき7つの理由【おもてなしの極意】

倖田來未の全国ツアー『Koda Kumi 15th Anniversary Live Tour 2015 〜WALK OF MY LIFE〜 supported by Mercedes-Benz』の大阪城ホール公演(5月31日)を観た。

公演内容はもちろん、いくつもハッとさせられた瞬間があった。いま、倖田來未のライブ・エンタテインメントは、チャレンジングな内容はもちろん、オーディエンスへの気配り&おもてなし感として最先端を走っている印象だ。ライブの感想とともに解説していこう。

<其の1> コンサート開演時間が16時!

5月31日は日曜日だった事もあるが、開演時間が16時に設定されていた。倖田來未のファンは歴代衣装をコスプレする10代&20代前半から、子連れファミリー層まで幅が広い。細かなことだが夕方16時から始まる時間設定は、家庭を持つ主婦層にはとてもありがたい。もちろん、終演が19時頃だとすればファン同士で御飯にも行きやすい時間帯だ。良いライブを観た後は会話も弾むので、終電という縛りがある日本では、こういった配慮は実は嬉しかったりする。

<其の2> 本番直前の円陣、ライブ終演後のお見送り参加企画!

会場外の物販テントに、当選番号のようなものが貼られていた。これは『オフィシャルファンクラブ倖田組会員』に向けて発表された、本番直前の出演者による円陣(※メンバーで輪となり肩を組みつつ声を出して気合いを入れる!)へのご招待企画なのだという。ライブ直前のアーティストと会話する事ができ、気合いを入れるための円陣にまで参加ができるという、夢のような企画をファン・サービスとして実施している。選ばれしファンとの会話は当日のMCでも使われていたことも微笑ましかった。さらに円陣だけでなく、ライブ終演後のお見送り参加企画まである徹底ぶりだ。

≫ 倖田組|倖田來未オフィシャルファンクラブ

<其の3> 最新ガジェットPlugAirをファンクラブ会員へプレゼント!

デビュー15周年のお祝いで、『オフィシャルファンクラブ倖田組会員』の全員に向けて『KODA KUMI 15TH ANNIVERSARY PlugAir』がプレゼントされていることにも注目したい。

PlugAirとは、スマートフォンのイヤホンジャックを通してさまざまなコンテンツを楽しめる最新ガジェットだ。いわゆるUSBメモリーではなく“クラウド連携のカギ”として機能することが評価され、ゆえに、配布後でもコンテンツの更新が可能となる。ITの世界で話題のIoT(インターネットのモノ化/Internet of Things)へと、いちはやく具体的に取り組んだプロジェクトなのだ。第一弾の更新コンテンツとしては、過去のライブから選りすぐりの15曲のライブ映像と、本人によるコメントを公開している。これは“来るべき15周年のスペシャル・ライブへの予習を!”ということなのかもしれない。

PlugAirを言葉で説明をするとカタカナ解説ばかりで難しさを感じられるかもしれないが、使い勝手としては決してマニアックなアイテムではない。たとえばTwitterでPlugAirと検索すれば、倖田ファンがどれだけ楽しんでいるかの熱気が伝わってくるはずだ。なお、イヤホンジャックを通じて友人へコンテンツをシェアできることも魅力的だ。ファンが新規ファンを増やすためのリアルな拡散ツールであることにも注目したい。

≫ PlugAirオフィシャルサイト

<其の4> お子様の耳を守るためのイヤーマフ無料貸し出し!

繰り返すが、倖田來未のライブは子連れ客が多い。しかし、コンサートでの大音量は子連れで来場している親にとっては気になるところだ。そこで、倖田來未のライブでは小さなお子様向けにイヤーマフの無料貸し出しをおこなっている。

イヤーマフとは、ヘッドホンのように耳を包み込む保護アイテムであり、聴力を守ることが目的だ。海外ではロックフェスなどで有名なアイテムだが、日本ではまだ浸透していない。本人も自ら子育て中である倖田來未ならではの、ファン目線でのホスピタリティのあらわれだろう。

さらに、子連れでもライブに訪れやすいようにファミリーシート(※ファンクラブ倖田組・playroomのみでの販売)を販売していることにも注目したい。子連れには厳しいスタンディングになりがちなライブのなか、着席して観たいというファミリー層の需要に答えている。

<其の5> グッズの値段は1円でも安く!

ライブ中のMCでも語られていたが、倖田來未のライブにおけるグッズ価格は、そのクオリティに対して比較的安価に価格設定がなされている。本人の気持ちである「1円でも安く!」という配慮のあらわれだ。

ファンであれば、ライブに訪れたら記念品的にいろんなアイテムが欲しくなる。そんな時に、アーティスト自ら価格設定にまで気を配る心遣いは、ファン心理として嬉しかったりする。気にいったアイテムがあれば気持ちよく購入できるというワケだ。

<其の6> アクロバティックなパフォーマンスへのチャレンジ!

今回のツアーにおける、倖田來未自身によるアクロバティックなパフォーマンスに感動した。まだツアーが続いているので詳細レビューは控えるが、忘れられない美しいインパクトを与えてくれた。

<其の7> SF的なストーリーテリング!

今回のライブは、巨大LEDモニターを駆使したSF的なストーリーテリングによって展開されていく。どことなく、フィリップ・K・ディックが1966年に発表した短編小説『追憶売ります』を映画化した『トータル・リコール』を彷彿とさせる未来的演出が続くなか、最新アルバム『WALK OF MY LIFE』に収録された、エッジーなダンス・ナンバーはもちろん、人気曲をメドレー形式として披露していく。しかしながら、まったく飽きさせない快楽ポイントを押さえた演出によって、初見のオーディエンスをも夢中にさせるエンタメ性の高さに感銘を受けた。

今回のアルバム作品やショーにおける、コンセプトを体現したキーワード=“人がどう思うかではなく 自分がどう生きたか”というメッセージ性の強さ。ライブを体感すればわかるが、これはアーティストとしての独善的なアティチュードではなく、MCを通じて、日々の生活に葛藤を抱えるオーディエンスの背中を後押しする“あたたかな言葉”として、会場の空気感に溶け合い伝わっていく。そんな人間力の高さに思わず共感し涙がこぼれた。

そして、ツアーは6月末のさいたまスーパーアリーナ公演での千秋楽へ向かって続いていく。エンタメ性豊かに心を揺さぶるライブ・パフォーマンスの素晴らしさ。新規ファンでも入り込めるホスピタリティの高さ。音楽ファンも、エンタメ好きな方も、今観ておくべき日本を代表するエンタテインメント・ショーとして太鼓判を押したい。ぜひ、まだ未体験の方こそチェックして欲しいと思う。

『Koda Kumi 15th Anniversary Live Tour 2015 〜WALK OF MY LIFE〜 supported by Mercedes-Benz』
2015.06.20 (土) 宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ16:00/17:00
2015.06.27 (土) さいたまスーパーアリーナ 16:00/17:30
2015.06.28 (日) さいたまスーパーアリーナ15:00/16:30
≫ ツアースケジュール
≫ 倖田來未オフィシャルサイト

以上、ヒットの現場からお届けしましたー。

次回は6月19日更新

ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフレットへの寄稿、TM NETWORKツアーパンフレット・シリーズ執筆。SMAPタブロイド新聞フライヤー執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TM編&TK編』、4万字取材を担当した『氷室京介ぴあ』(ぴあ)発売中!
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