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【10周年AAAが注目を集める理由】
〜企業コラボ/リスナー参加型企画/ライフスタイル提案〜

デビュー10周年を迎えたAAAが9月16日に、ベスト・アルバム『AAA 10th ANNIVERSARY BEST』をリリースし、9月28日付オリコン週間アルバム・ランキングで1位に初登場した。なお、mu-moショップではメンバーの写真がジャケットに掲載された限定盤CDを販売している。

先行してYouTubeにアップされた50枚目の記念シングル「愛してるのに、愛せない」(ベスト盤にも収録)のミュージックビデオは、AAA史上歴代最速で100万再生を突破し、現在460万再生を記録。下半期音楽シーンで大きな話題となっていることも見逃せない。

AAAが人気の理由を検証するうえで注目したいのが、NAVERまとめやニュースサイトで話題となった、若者の間で男女複数人グループで集うことをあらわす“AAA状態”なるキーワードだ。そこには、恋愛というテーマを超えた“仲間との友情”という時代性あるキーワードが浮かびあがってくる。

http://matome.naver.jp/odai/2144163231538139401

この10年で音楽シーンはマス&CDセールス志向から、確実にライヴへと価値基準が移り変わった。実はAAAは、デビュー時からテレビの主要音楽番組に出演する事が少なく、代々木公園のストリートから始まった地道なライヴ活動でオーディエンスの心をつかみ続けてきた逸材だ。その成長の姿は、まるで漫画『ONE PIECE』のリアル版のようだとファンの間で称されている。いわゆる、ひとつの目標に向かって、男女を超えた友情物語を感じさせる行動が心をとらえたのだ。

AAAが飛躍したきっかけに、“企業コラボ”というキーワードがある。イトーヨーカドーとの楽曲タイアップ&店頭でのCD展開も注目されていたが、AAAは企業タイアップの使い方が上手だ。今回の施策では、ひと工夫を加え、参加型施策を取り入れているのがポイントだ。

50枚目のシングル「愛してるのに、愛せない」では、オープンハウス、LIVE DAM STADIUMとの、プロマーシャル(プロモーション+コマーシャルの意)を実施することで発売3週間前からザワザワ感を作った。

その後、カラオケの第一興商(DAM)とのキャンペーンで、DAM×AAA 『DAAAM Project』をスタート。メンバーとデュエットできる、史上初カラオケ4ヴァージョン(男声のみ、女声のみ、日高ラップのみ、オリジナル)の同時配信を試み、さらに歌っている画像や動画をTwitterにアップすると、抽選でプレゼントが当たるなど参加型企画を取り入れている。結果、ハッシュタグ“#DAAAM”を検索すればわかるが、メンバーとヴァーチャルに共演ができるとして大きな反響を呼んでいる。

ユーザー参加型企画は手間がかかる試みだが、ファンの熱量を確実に上げていく。もちろん、そんな施策も楽曲のクオリティーが伴わなければ意味がない。ベスト・アルバムにも収録される新曲「愛してるのに、愛せない」は、メロディーが心に残る、新鮮で懐かしい90年代テイストを感じさせる歌心あるバラードだ。すでに2O15年下半期を代表するカラオケでも人気なヒットチューンとして注目が集まっている。

9月21日には、スペシャル・ライヴ“AAA 10th Anniversary SPECIAL 野外LIVE in 富士急ハイランド”も開催された。ユニークな試みとして9月4日から、富士急のアトラクションともコラボし、「富士急ハイランド」の名前が「富士急AAAハイランド」となり、ジェットコースターの「FUJIYAMA」が「NISHIJIMA」、「ええじゃないか」が「AAAじゃないか」、「高飛車」が「日高飛車」へと、ロゴも同じテイストで改名されているという遊び心ある施策が話題となった。

ライブを軸にした活動と、遊び心ある攻めの企業コラボ。ファンの熱量を高めるリスナー参加型企画、そしてカラオケで歌われるヒット曲「愛してるのに、愛せない」という存在。10周年を迎えベスト・アルバム『AAA 10th ANNIVERSARY BEST』をリリースしたAAAが、2015年下半期のエンタメ・シーンをさらに盛り上げていく事は間違いないだろう。

AAA OFFICIAL SITE

以上、ヒットの現場からお届けしましたー。

次回は10月16日更新

ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフレットへの寄稿、TM NETWORKツアーパンフレット・シリーズ執筆。SMAPタブロイド新聞フライヤー執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TM編&TK編』、4万字取材を担当した『氷室京介ぴあ』(ぴあ)発売中!
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