【ケツメイシ】
前代未聞の最新作『ケツの穴...こだわらへん』を大いに語る。〜後編〜
ケツメイシ、史上最大のスペクタクル作品の登場。2年ぶりの全国ツアーとなった、前代未聞のエンターテインメント・ショー『【アドベンチアーズ】KTM TOUR 2015シモネティーナと4人の賢者〜失われた聖水を取り戻せ〜 』が、DVD&Blu-ray『ケツの穴...こだわらへん』(2015年10月21日発売)としてリリースされた。
特典映像には、本公演とは異なるセットリストで行われたスペシャルなツアーファイナル、沖縄・宜野湾海浜公園野外劇場公演も収録。さらに、ツアーでのオフショットやインタビュー、恒例の打ち上げ風景なども収録されていて、満足度120%間違いなし☆ CDが売れないと言われる時代、楽曲にもこだわり、ライヴに力を注ぎ続けるケツメイシが想う心意気とは? RYO、RYOJI、大蔵、DJ KOHNOの4人に、映像化について話を聞いてみた。
――今回のツアーで選曲されたケツメイシのあらゆる楽曲ですが、大蔵さんのMCであったり、楽曲に込められたメッセージ性が活かされているセットリストに仕上がったと思いました。曲順であったり、曲にいろいろな意味を込めていく中で、どんなこだわりがあったりしましたか?
DJ KOHNO やっぱ軸となるのは、アルバム『KETSUNOPOLIS 9』ですね。曲順リストはみんなで相談して選んでいくんですけど、普通だったらやっぱ「カリフォルニー」から始まると思うんです。でも、あの時たしかRYOJI君だったと思うんですけど、「やっぱ「EMERGENCY」からやったら面白くない?」って話が出て「あっそれは誰も想像できないね」ってなって。で、舞台の演出の方たちは最初ポカーンとしてて。「それありなの?」みたいな感じで。「でもこういう見せ方で行けばカッコよくなるんじゃない?」って。その後に「カリフォルニー」に場面を変えて。このブロックはこういう見せ方で。このブロックはこういうメッセージでっていう、順を追った組み立て方ですかね。
RYOJI なんか外タレのライヴへ行くとこういうことやってるんですよね。
DJ KOHNO ローのカッコいいノリで入る曲ですよね。
RYOJI で、本人はなかなか登場しない感じでね。今回たまたまテーマが海賊だったんで、このノリが良かったんだと思います。はじまりは怖いダークな雰囲気でね。
――その後も大蔵さんは、曲紹介のところで絶妙なMCを入れられていたのが印象的でした。
大蔵 そうですね、やっぱりライヴは一体感が大事だと思うので。普通に曲を流して歌ってってよりは、ちゃんとここはこうやって楽しむんどよとか、ここはこうやって静かに聴くんだよみたいな、ガイド役って大事だと思うんです。より曲を楽しんでもらうためにはね。
RYOJI 曲順は、うちには現役のDJがいるのでDJ KOHNOを中心に。僕はやっぱり演出的な部分の目線で曲を選んだりしました。まぁ、今回は意見がぴったり合いましたね。普段はツアー中に直したりするんです。けっこううちらはスタッフ泣かせなんです。
DJ KOHNO 大体一発目やった後に変えますね(笑)。あれ、ちょっと違ったねっつって。
RYOJI それが、今回はなかったんです。やっぱり最初からうまく配置されてたのかなって気がしますね。
DJ KOHNO この曲の前にこの曲があるから、聴かせたい曲がもっと良く聞こえるっていうのは、音楽の不思議なところだとと思うんです。でも、いまTwitterやFacebookあるじゃないですか? ライヴの感想を見てると「あの曲いらなかった」とか書かれたりするんですよ。でも、あれがあるからこれが光るんだよみたいな。
RYOJI サザンのライヴで桑田さんもそんなこと言ってたよ。
一同 (笑)
――ケツメイシのライヴは、テンションあがる曲と聴かせる曲のバランスが最高ですよね。それでは、今回のツアー、見どころ聴きどころを教えてください。DVDやBlu-rayでここは必見的な。
DJ KOHNO 本編の肝は「少年と花火」っていう曲。セットリストの中で色が違うんですね。でもこの曲をどう見せるかっていうこだわり。思い入れのある曲だから、絶対歌いたい。じゃあそれをどう表現していくかってことを考えました。普通に曲順だけ見ると「FUTARIDAY」の後に「少年と花火」ってありえないんですけど、でもそれを成立させるためにも映像だったり、その間の時間を置くことで、感動してもらえたかなと。単純に曲だけずらずらってやってたら絶対これ無理なんで。で、ここから場面転換でミュージカルに行くよっていう、お客さんのスイッチの切り替えも細かく考えてるんですよね。
――飽きさせない流れが、本当にしっかり作られていましたね。
RYOJI 気になったところといえば、「それぞれのライフ」が終わった後にイントロが入るんですけど、そこで大蔵がいつも同じようなMCをするんです。でも、その尺がギリギリなんですよ(苦笑)。でも、いつもなんとなくうまくやってたんで、……ここに注目してほしいな(苦笑)。いつもひやひやしてたんですよ。
一同 (笑)
大蔵 そうですか、すみません(笑)。
RYOJI 何回かギリギリのところがあったんだよね(苦笑)。よくもまあ、あんなに長いセリフをねぇ。心にもないことをよく言えるもんだなと(笑)。
大蔵 ははは(笑)。
RYO 感謝の安売りね(笑)
RYOJI でも、ほぼ毎回間違ってないんだよね。同じ語り口で同じセリフでちゃんと言えてるんで。大したものだな、と。さすがリーダーだな、と(笑)。
RYO さすがっすよ、大さん。
DJ KOHNO あと、RYOさんは、よく油断してますよね。いろんな場面で。
RYO ボヤっとする癖があるんで。
大蔵 最後の最後までツアーしてて「EMERGENCY」の歌詞を一回も覚えてなかったですよね。
RYO 覚えてなかった(苦笑)。
DJ KOHNO あ、そうなの?
RYO 舞台に出てないシーンなんで、歌詞を壁に貼って見ながら歌ってました。
RYOJI カンペ貼って、担当の人が順にライトで照らすっていう(笑)。カラオケみたいに。
DJ KOHNO 知らなかったわ(笑)。最低ですね(苦笑)。
RYO カンペはお守りみたいなものです(苦笑)。
一同 (笑)
――今回のDVD&Blu-ray『ケツの穴...こだわらへん』には、特典映像として沖縄ライヴがたっぷり収録されていてお得感があります。ていうか、あの開演前にステージ上でバーベキューやってたのって、あれ何ですか?
DJ KOHNO ははは(苦笑)。あれ正解がまだわからないです(笑)。
RYOJI もし2DAYS公演だったら、バーベキューは初日でやめてたかな(苦笑)。
DJ KOHNO ザワつきましたねぇ。何やってんだろうねあれ(苦笑)。
――ケツメイシにとって沖縄とは?
RYOJI 第二の故郷ですよね。僕らが知られていったのは沖縄からだったんです。桜前線じゃないですけど、人気が北上していったので、沖縄に対する感謝がすごいあるんですよ。その頃、仲のいいタワーレコードの担当の方が沖縄店にいらっしゃって。沖縄に行く機会も多くて。だからなんか育てていただいたじゃないですけど、自分達のやっていることは間違ってないって教えてもらった場所なんです。はじめの頃は、ケツメイシは沖縄出身だと思っている方が沖縄にもいっぱいいたので。
――それすごいことですね。
DJ KOHNO 最初のインディーズで出したCDが一番売れたのが沖縄だったんだよね。沖縄OPAのタワレコ。
大蔵 今はもうないですけどね
RYO OPAの上にタワーレコードがあって、インディーズの最初のアルバム『ケツノポリス』なんですけど、一店舗で700枚位売れたんですよ。安室奈美恵ちゃんの記録を抜いたらしいんですよ。バキバキメジャーの安室ちゃんをインディーズの俺らがね。
――それはすごい。
RYOJI ただ沖縄出身のバンドじゃないってバレてから袋叩きになりましたけどね(苦笑)。
DJ KOHNO 「なんだちげーのかよ!」っつって(笑)。
RYO 僕も「うちなんちゅう」とかよく言っていたんで(苦笑)。
大蔵 「沖縄出身なんですか?」って聞かれて、だんだん面倒臭くなって「そうなんです!」って答えてましたもんね(笑)。
RYO 大蔵はけっこう沖縄弁がうまいんです。俺らから聞いたら完璧に聞こえるんですけど、沖縄の人からみると……。
大蔵 馬鹿にしてんのかって(苦笑)。
一同 (笑)
大蔵 僕は沖縄の人みたいってこの前も言われたんですよ。ちょっとね、顔が濃いからRYOさんとか特に。
DJ KOHNO なんですかね、あとアルバムのジャケット写真を首里城の入口で撮ったのが大きかったかな。あれはほんとは予算がなかったので、ライヴに行ったついでに首里城で撮ったら、「それジャケットにしちゃおうよ!」って(笑)。適当な担当の人だったので(苦笑)。しかも朝まで飲んじゃってたから、疲れてあそこまでしか登れなかったんですよね(笑)。
――愛がある特典映像に仕上がってますよね。あと、オフショット映像やインタビューカットも含めものすごい豪華に仕上がっています。今回も、めちゃめちゃ楽しそうな打ち上げシーンも入っていて。ファン的に嬉しいですよね。
RYO まあひどいよね(笑)。
大蔵 1枚目のDVD『ケツの穴 〜入門篇〜』から、打ち上げを撮ってたり、ムチャな感じだったんですよ。RYOさんが吐いてるのを残したり、裸で走りまわったりとか(苦笑)。でも、改めて観ても変わらないですよね(苦笑)。
RYO アラフォーでしょあなたたちっていうか(笑)。ちょっとちゃんとしないと……。
RYOJI でも、ちゃんとしてたら特典に付けても何も面白くないから(笑)。
――ははは(笑)。ケツメイシの活動をみてると地方も含めじっくりとツアーをやられていて。リピーターも多くて、しかも友達や家族を連れてきたくなるライヴなんですよね。なので動員が増えつづけているという。そして来年はメジャーデビュー15周年だそうですね。いろいろ準備中ですか?
RYOJI ですねぇ。
――大事な年になりそうですね。
RYOJI はい。イベントを自分たちで考えたりして、アルバムも次が10枚目になるので盛り上げていきたいですね。メンバーも意欲的に動くつもりなので、いつもと違うことができればいいなって考えてます。それまでは、DVD&Blu-ray『ケツの穴...こだわらへん』をお楽しみください。
一同 よろしくお願いします!
2015年9月30日/西麻布にて
以上、ヒットの現場からお届けしましたー。
次回は11月6日更新
ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフレットへの寄稿、TM NETWORKツアーパンフレット・シリーズ執筆。SMAPタブロイド新聞フライヤー執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TM編&TK編』、4万字取材を担当した『氷室京介ぴあ』(ぴあ)発売中!
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