80’s、90’sの洋楽にシビレたあなたに推したいEXOの音楽的魅力とは?
EXOが注目を集めている。K-POPブームが一段落しているといわれている中、先日は東京ドームでの公演を大成功させ、日本デビュー・シングル「Love Me Right 〜romantic universe〜」のチャート・アクションも上々だ。
EXOは、ライヴでのオープニングでの映像や演出からもわかる通り、アーティスト活動に物語が与えられていて各メンバーがそれぞれ超能力を持つというコンセプトで活動していることに注目したい。いわゆる、アニメ的な世界観の実写化的な側面を持ち、ファンタジー世界を創り出すことでファンの心をつかんできた。
80年代音楽研究者な筆者的には、小室哲哉率いるTM NETWORKが1984年のデビュー時より、“地球を調査する目的で潜伏した宇宙人”という設定で、2012年の復活以降、4年間コンサート・シリーズを成功させてきた視点ともつながることに着目したい。
※詳しくは、リアルサウンド『なぜTM NETWORKは時代の先駆者となったのか? 「FINAL」作品を100倍楽しく観る方法』をチェック!
http://realsound.jp/2015/11/post-5362.html
日本でも、ボカロPとして人気のじん(自然の敵P)が繰り広げてきた物語『カゲロウプロジェクト』同様に、本格的な音楽アーティスト活動と、ラノベ的な小説とのコラボレーションをしながら、アーティストのキャラクター的魅力を広げ世界観を深めていく方法は、CDパッケージ、写真、ミュージック・ビデオによる演出同様に、アーティスト活動の深みを広げる要素になっている。シアトリカルなロックショーを魅力とする、SEKAI NO OWARIにも通じるプロデュース論だ。
EXOの日本デビュー・シングル「Love Me Right 〜romantic universe〜」は、デヴィッド・ボウイやマドンナ、デュラン・デュランのプロデューサーとして活躍したナイル・ロジャース的な、ギター・カッティングがたまらない80’sセンスあるポップミュージックに仕上がっている。ナイル・ロジャースといえば、テン年代には、グラミー賞を受賞したダフト・パンクとの共演も記憶に新しい。なお、ナイル・ロジャースは1989年にTM NETWORKはリプロダクション・アルバム『DRESS』で、「COME ON EVERYBODY (with Nile Rodgers)」としてコラボレーションしていることにも注目したい。時を超えたEXOとのミッシングリンクの発見だ。
音楽的なこだわりが興味深いEXO「Love Me Right」ミュージック・ビデオの韓国語ヴァージョンは、すでに3,500万もの再生回数をたたき出している。
以上、ヒットの現場からお届けしましたー。
次回は12月11日更新
ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフレットへの寄稿、TM NETWORKツアーパンフレット・シリーズ執筆。SMAPタブロイド新聞フライヤー執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TM編&TK編』、4万字取材を担当した『氷室京介ぴあ』(ぴあ)発売中!
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