【2ndアルバム『カタルシス』が大ヒット】
AAA日高光啓が、ポップスターSKY-HIである理由!
SKY-HIって誰?
2016年の音楽シーン、SKY-HI(スカイハイ)が注目を集めている。1月20日(水)に発売されたばかりの2ndアルバム『カタルシス』が、オリコン週間アルバムランキング5位を記録し、すでに全国ホールツアーも完売。とはいえ「SKY-HIって誰?」、そんな方もまだまだ多いことだろう。SKY-HIとは、男女7人組のパフォーマンスグループAAAのメンバーとしても活動する日高光啓のことだ。
ここで、AAAの魅力を理解しながらも「なんだアイドルなの!?」という印象を持つ方もいるかもしれない。しかし、日高光啓によるSKY-HIでの活動は、片手間のソレとは違う。それこそAAAとして数々の大舞台に立ちながらも、もともと、自身がやりたかった夢を実現する為に事務所黙認で勝手に始めたのがSKY-HIの活動だった。クラブマナーにのっとり、日夜アンダーグラウンドなイベントに出演することでラップのフリースタイルのスキルを磨きながら、リアルなヒップホップ・シーンでの信頼を獲得してきた叩き上げの実力を持つ。
“MTV VMAJ 2014”にてBEST HIP HOP VIDEOを受賞
2014年3月には、大傑作1stアルバム『TRICKSTER』をリリース。同年6月、“MTV VMAJ 2014”にて1stシングル「愛ブルーム」でBEST HIP HOP VIDEOを受賞するなど、プロフェッショナルなシーンからも高い評価を得ている逸材だ。
ファレル・ウィリアムスや、マーク・ロンソンをカヴァー
ライブでは、ファレル・ウィリアムスの「Happy」や、マーク・ロンソンの「アップタウン・ファンク」をカヴァーしている通り、その音楽性はヒップホップだけにとらわれず、海外チャートの最新状況とシンクロするポップセンスを発揮している。音楽サイト『ナタリー』では、エイミー・ワインハウス、ポール・マッカートニー、ブルーノ・マーズなどを手掛けた世界的なプロデューサー、マーク・ロンソンとも対談している。SKY-HIは、目標として“グラミー賞”という大きなミッションを抱いていることも見逃せない。
http://natalie.mu/music/pp/markronson_skyhi
SKY-HIが次世代を牽引するポップスターである理由
SNS時代、アーティストがカリスマ性を発揮しづらい時代といわれている。TwitterやInstagramなどSNSの浸透で、“距離感の近さ”や“ライトコンテンツ”さが、ソーシャル時代の人気の秘訣として大きな要素を持っているそうだ。
しかし、SKY-HI(AAA日高光啓)名義の彼のTwitterをチェックしてみて欲しい。まっすぐに現実と向き合い、そしてひとつひとつの壁を乗り越え挑戦していく様が真摯なメッセージとして繰り広げられていく。その言葉のひとつひとつは、ファンにおもねることなくリスナーの心を鷲掴みしていく。なぜか? それは人生を賭けた本気だからだ。さらに彼は「君が生きているその意味も価値も、この音楽で証明しよう」と生の言葉で言い切っている。
男性ソロアーティストでのスターが誕生しづらい時代といわれているが、その音楽性の高さはもちろん、SNSやライブMCでの立ち振る舞いをみれば、SKY-HIが次世代を牽引するポップスターであることに疑いの余地はないはずだ。30代以上にしか伝わらないたとえで恐縮だが、誤解を恐れずにいえば尾崎豊に近い強烈な存在感、カリスマ性を感じる迫力を解き放っている。
https://twitter.com/SkyHidaka
2ndアルバム『カタルシス』を全曲解説
SKY-HIが完成させた、心を鷲掴みする2ndアルバム『カタルシス』について順不同で解説していこう。映画のごとく、伏線が張られながら物語が展開されていく、細部までこだわられたクオリティの高い作品力に注目して欲しい。
1曲目、熱量高まる「フリージア 〜Prologue〜」からはじまり、「フリージア 〜Epilogue〜」へと辿り着いたオリジナルなストーリー。自らの人生を賭けて闘う本気の挑戦を体現した、完全自作のドラマティックなメロディーと言葉のチカラを持つ楽曲たち。ポップとリアルが同居する、壁を越えていく最強のエンタテインメント価値観の強靭さ。
ファンクに跳ねまくる「Ms. Liberty」、ポップな「スマイルドロップ‘16」、そしてサビでの歌謡センスをも感じさせるEDMライクな突抜感ある「Seaside Bound」の爽快さ。
エレクトリックにギミッカブルな「Countdown」。イントロからせつなさ満載な亡くなった友人のことを歌った「LUCE」。SFライクでハードボイルドな世界観を解き放つ「F-3」。
時の移り変わりを描いた「Young, Gifted & Yellow」や、ナチュラルなポップビートが心地良い「朝がくるまで」のメロウ感。どんなことを考え、どんな生き方をしているのかが伝わってくる「As a Sugar」、「アイリスライト」、「カミツレベルベット」での強靭なる思いの強さ。
SKY-HIの2ndアルバム『カタルシス』は、緻密に計算された個々の楽曲が織りなす展開のすごさを、穴があくほど歌詞カードと向き合いながら体感して欲しい。まさに2016年を代表するアルバム作品だ。ここからSKY-HIのトリックスター、いやポップスターしての新たな歴史が始まっていくはずだ。
http://avex.jp/skyhi/
以上、ヒットの現場からカタルシスな気分でお届けしましたー。
次回は2月5日更新
ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフレットへの寄稿、TM NETWORKツアーパンフレット・シリーズ執筆。SMAPタブロイド新聞フライヤー執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TM編&TK編』、4万字取材を担当した『氷室京介ぴあ』(ぴあ)発売中!
https://twitter.com/fukuryu_76
http://bylines.news.yahoo.co.jp/fukuryu/