音楽コンシェルジュ・アワード
今週聴くべき3枚: 氷室京介、宇多田ヒカル、欅坂46
2016.4.15 UPDATE
BABYMETALが4月1日にリリースしたNewアルバム『METAL RESISTANCE』が、アメリカでの4月23日付総合アルバムチャート『Billboard 200』で39位にランクイン。所属事務所アミューズの先輩、PerfumeやONE OK ROCKが切り拓いてきた海外戦略の道のりを、結果を出すことで可能性を証明した日本音楽史に残る大注目の功績となりました。日本人のTOP40入りは坂本九以来53年ぶりだそうです。しかも続いて、上原ひろみの最新アルバム『SPARK』 が米ビルボード・ジャズ・チャート1位を獲得というニュースが届いたことも喜びですね。
はい、というわけで、今週チェックすべき音楽作品を紹介していきましょう。新作リリース・アイテムの多い音楽CD作品(※配信限定含む)の中から、選びきれないあなたへ向けて今週、音楽シーンで話題の3枚を“音楽コンシェルジュ”がセレクト。本気でオススメしたい、三つ星級の作品を独断と偏見で解説していきます☆☆☆
【邦楽アルバム部門】氷室京介『L'EPILOGUE』
※映像は、『KYOSUKE HIMURO TOUR1988 -KING OF ROCK SHOW-』より。
オールキャリア・ベストアルバムの完成。「ANGEL」、「SUMMER GAME」、「JEALOUSYを眠らせて」など完全無欠な鳥肌曲の凄み。しかもミックスは、世界的に著名なグラミー・エンジニアが名を連ねた作品となっている。注目すべきは1曲目「ミス・ミステリー・レディ」だ。BOØWY、4thアルバム『JUST A HERO』(1986年)に収録された知る人ぞ知るスリリングなロックナンバー。まさに“極上のお宝”を発見したかのような仕上がりだ。
http://www.himuro.com/
【邦楽配信シングル部門】宇多田ヒカル「花束を君に」
※映像は、初ライヴ“Luv Live”(1999年4月2日@Zepp TOKYO)より。
活動休止から5年半。宇多田ヒカルの復帰作は、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』主題歌として話題の「花束を君に」。せつなさとあたたかさを感じられるメロディーとストリングス。日本語の美しさを感じられる歌詞の魅力。誤解を恐れずに言えば、アデルのような歌心を主軸にとらえた世界観がグッとくる。ミックスはサム・スミス作品を手掛けたスティーブン・フィッツモーリス。中盤“ありがとう”のフレーズでの節回しに込められた感情の移り変わりに注目したい。
http://www.utadahikaru.jp/
【邦楽シングル部門】欅坂46「サイレントマジョリティー」
マイナー調のビートの効いたロックチューンに、メッセージ性の強い思春期ならでは反発心が込められた歌詞の魅力。80年代でいうところの尾崎豊的な叫びを感じられる“大人たちに支配されるな”という同世代へ向けたメッセージ。声を上げることの大切さを問う、存在感の強い楽曲が解き放つエネルギーの高さ。秋元康による、まだまだ迷いを感じる欅坂46メンバーへの道を指し示す羅針盤のような作品に感じた。鼓舞するような高揚感のあるサビに心がしびれる。
http://www.keyakizaka46.com/
以上、ヒットの現場からお届けしましたー。
次回は4月22日更新
ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフレットへの寄稿、TM NETWORKツアーパンフレット・シリーズ執筆。SMAPタブロイド新聞フライヤー執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TM編&TK編』、4万字取材を担当した『氷室京介ぴあ』(ぴあ)発売中!
https://twitter.com/fukuryu_76
http://bylines.news.yahoo.co.jp/fukuryu/