音楽コンシェルジュ・アワード
今週聴くべき3枚:ビヨンセ、電波少女、FAMM'IN
2016.5.6 UPDATE
音楽の入れ物となるパッケージ商品として、昔懐かしいカセットテープが盛りあがっています。この春発売された話題作、相対性理論の新作アルバム『NEW WORLD!』や、でんぱ組.incの新作アルバム『GOGO DENPA』がカセットテープとして発売されたことは話題となりました。カセット世代でない人でも、レコード同様にアナログ的なアイテム感が、モノの魅力として所有欲をくすぐってくれるようです。80年代当時、カセットテープはウォークマンなどで持ち運びで音楽を楽しめるモバイル価値、録音&編集のできる使い勝手の良さが受けました。まさに自由度の高い“いま”っぽい価値の元祖的存在だったんですよね。
ちなみに、大阪で話題の“大人になるのを辞めてしまったバンド、みるきーうぇい”がインディーズで完全自主プロデュースのまま初の全国流通盤作品『カセットテープとカッターナイフ』を、3曲入りダウンロードカード付きカセットテープとして6月15日に500円でリリースします。ニューカマーですが、青くせつないメロディアスな楽曲と、気持ちのこもったリアルな歌詞の説得力に注目してほしい新しい才能です!!!
http://milkyway-music.com/
はい、というわけで、今週チェックすべき音楽作品を紹介していきましょう。新作リリース・アイテムの多い音楽作品の中から、選びきれないあなたへ向けて今週、音楽シーンで話題の3枚を“音楽コンシェルジュ”がセレクト。本気でオススメしたい、三つ星級の作品を独断と偏見で解説していきます☆☆☆
【洋楽アルバム部門】ビヨンセ『レモネード』
アルバム総セールス1億枚超え。約2年半ぶり通算6作目となる新作アルバム。前作『ビヨンセ』に続いて、今回も予告無きままに緊急リリース。旬な、ケンドリック・ラマー、ジェームス・ブレイク、ザ・ウィークエンドと初顔合わせコラボレーションという、多彩な攻めっぷりを感じる話題作です。本作は、夫のジェイ・Zによる浮気などの不義に対する葛藤が描かれた作品ともいえるでしょう。音楽性の高さとして、間違いなく2016年を代表するアルバム作品です。
http://www.sonymusic.co.jp/artist/Beyonce/
【邦楽アルバム部門】電波少女『パラノイア』
ネットで注目されインディーズで活躍する、ラップ担当ハシシとDJ&パフォーマンス担当のnicecreamによる1MC&1DJユニット。メロディアスで音楽性の高いトラック、リアルで等身大なリリックの魅力。広い世代へ伝わるであろうポップに切ない「笑えるように」という楽曲の存在感の強さ。ぼくのりりっくのぼうよみの先輩でもあり、SEKAI NO OWARIなどを好きなキッズへも刺さる要素を予感させるポテンシャルの高さ。今最も注目すべきHIPHOP CREWだ!
http://denpagirl.com/
【邦楽配信ミニアルバム部門】FAMM'IN『circle』
元FACTのドラマーEijiらによる新バンドRadical Hardcore Cliqueによるプロデュースで、FEMMとFAKYとYup’inが7人組ユニットFAMM'INを結成。和を感じさせるスピリチュアルなビートセンスがクールなナンバー「circle」で共演。白と赤を基調としたメンバー出演のリリックビデオは、言葉が刺さってくるアンビエント・サウンドのインパクト。完全クラブ・ユースに研がれた各単体名義の新曲 +『circle』のリミックスを収録した全5曲のおもしろさに注目!
http://www.fammin.jp
以上、ヒットの現場からお届けしましたー。
次回は5月13日更新
ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフレットへの寄稿、TM NETWORKツアーパンフレット・シリーズ執筆。SMAPタブロイド新聞フライヤー執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TM編&TK編』、4万字取材を担当した『氷室京介ぴあ』(ぴあ)発売中!
https://twitter.com/fukuryu_76
http://bylines.news.yahoo.co.jp/fukuryu/