音楽コンシェルジュ・アワード
今週聴くべき3枚:globe『globe』、『FACES PLACES』、『Love again』
2016.12.22 UPDATE
2016年は、globe20周年イヤーでした。そんな、globe初期の傑作アルバム『globe』、『FACES PLACES』、『Love again』、『Relation』が12月23日に高音質ハイレゾ版がリリースされました。
http://avex.jp/globe/news/detail.php?id=1043866
mu-moではglobe作品は、CD、または通常配信でお楽しみいただけます。というわけで、さらなる楽しみ方をお伝えすべく3枚をピックアップしてレビュー解説しましょう。90年代、小室哲哉自身がメンバーとして在籍したglobeの活躍。1stアルバム『globe』のセールスは当時最速で400万枚を超え、ミリオン・ヒット全盛時代に圧倒的な勢いを誇りました。小室さんが描く歌詞は俯瞰的な情景と心情を描いていて、120%現代でも通用する世界観に驚かされます。
はい、というわけで、今週チェックすべき音楽作品を紹介していきましょう。新作リリース・アイテムが多い音楽作品の中から、選びきれないあなたへ向けて今週、音楽シーンで話題の3枚を“音楽コンシェルジュ”がセレクト。本気でオススメしたい、三つ星級の作品を独断と偏見で解説していきます☆☆☆
【邦楽アルバム部門】globe『globe』(1stアルバム/1996年)
1曲目「GIVE YOU」で聴けるTKによるピアノとコーラスと、KEIKOによる透明感あるハーモニーの美しさ。2016年の今なお、まったく古びることの無いオトナな大名曲なバラード「Precious Memories」。プログレッシヴ・ロック風な「Always Together」で聴ける、フィルコリンズ「One More Night」風なRoland808サウンドにも注目したい。キース・ジャレット風な、ラストのピアノソロ「LIGHTS OUT」も素晴らしい。聴かずぎらいな人こそ聴いて欲しい1枚だ。
http://avex.jp/globe/
【邦楽アルバム部門】globe『FACES PLACES』(2ndアルバム/1997年)
CDバブルといえば享楽なイメージがあるが、globeの本質は暗く重い現代社会を生きる若者像、その焦燥感を描いたサウンドにある。ニルヴァーナ以降、USオルタナに影響を受けた本作は、完全にロックな「FACE」、「FACES PLACES」、「Anytime smokin' cigarette」、「a picture on my mind」に注目して欲しい。TKのルーツである70’sロック、ジェネシス、ピンク・フロイド、ELPの影響を伺えるシリアスでシアトリカルでドープな世界観が爆発しているのが本作だ。
http://avex.jp/globe/
【邦楽アルバム部門】globe『Love again』(3rdアルバム/1998年)
仮タイトルは『edge』。しかし、レコーディング後LAから帰ってきたTKは日本の状況がオルタナなUSと違いトゲトゲしい雰囲気ではなかったことを察知。タイトルを変更した経緯を持つ。TK全盛期ながら喪失感や閉塞感を描いた作品が続く。屋外が似合う「UNDER Your Sky」や重くもメロディアスなナンバー「Nothing ever makes me happy」、音の響きや余韻がたまらない「Open Wide」、そして、TKによるピアノ即興的な「end of 3rd element」が美しい。
http://avex.jp/globe/
以上、ヒットの現場からお届けしましたー。
次回は1月5日更新
ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、ミュージック・マガジン、2.5D、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども手掛ける。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフレットへの寄稿、TM NETWORKツアーパンフレット・シリーズ執筆。SMAPタブロイド新聞フライヤー執筆。メイン取材&100曲解説を担当した『小室哲哉ぴあ TM編&TK編』、4万字取材を担当した『氷室京介ぴあ』(ぴあ)発売中!
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