• Tweet

　街中をきらびやかなイルミネーションが彩るクリスマス・イヴ。「Around The World」「空はまるで」など多くのヒット曲を持つカナダ人兄弟+日本人からなる4ピースバンド、MONKEY MAJIKが、ツアーをスタートしたばかりのこの日、スペシャル・ライヴをファンにプレゼントした。 　

　クリスマス・イヴということもあり、会場内にはカップルの姿が目立つが、幅広い年代から愛されている彼ららしく、親子連れも少なくない。そしてこの特別な日を、MONKEY MAJIKと一緒に過ごせることへの喜びからか、客席は和やかな空気で包まれていた。
　開演時間を少し過ぎて観客たちがソワソワし始めたころ、ステージにメンバーのシルエットが映し出され、Newアルバム『DNA』収録曲でライヴがスタート。ギター音と同時に観客たちにもスイッチが入り、すぐに歓声が巻き起こった。数多くのライヴをこなしてきているだけに、観客を引き込むのはお手の物。軽快なサウンドを奏で、前半はアルバム収録曲を中心に構成。リズムに合わせて観客たちも手拍子を鳴らして楽しんだ。曲が終わり、次の曲のイントロが流れると同時に「お〜！」と歓声が起こるなど、前半から会場内には一体感が生まれていた。
「クリスマスはいつも、カナダで家族と過ごします。でも今年はスペシャルなクリスマスをします。皆さんはファミリーでしょう。We are family！」というブレイズのMCに会場が沸き、楽曲に合わせて観客も一緒になって歌詞を口ずさみながら、「皆ハッピー？」「イェ〜！」と緩やかに言葉のキャッチボールが続いた。 　

　過去のヒット曲が歌われると観客のヴォルテージもさらにアップ。色とりどりのサーチライトが客席を照らし、その光に触発されたかのように歓声が上がる――。冬の寒さを忘れさせるほど会場内は熱気に包まれた。
　アコースティックギターでの弾き語りで少し落ち着いた時間が流れたかと思ったら、ラップで強烈な印象を与えるなど、常に観客を飽きさせない。楽器が電飾されて光輝き、スポットライトの演出と共に宇宙船と遭遇したような感覚になることも。一体感を醸し出しながらも、踊る人、手を叩く人、拳を突き上げる人･･･それぞれが自由にライヴを楽しんでいるのも心地良かった。 　

　MCでメイナードとブレイズが「最高です！　毎日ライヴをやっていたい。毎日くる？　ありがとう！」と感謝の気持ちをファンに伝えて本編は終了。もちろんアンコールを求める手拍子が鳴り止まず、すぐに4人はステージに戻ってきた。
　大歓声に包まれながらアンコール曲を奏でるメンバーたちはノリノリ。アンコールがかかったことで彼らのテンションが上がったのが手に取るようにわかる。サビで観客と一緒に手をグルグルまわしたり、ステージを降りてファンとハイタッチをするなどフレンドリーな雰囲気も漂っていた。次々と曲が歌われ、大きな盛り上がりを見せる中、ベースのディックが観客たちを巻き込んで乾杯をする場面も。クリスマスらしい演出にファンにも笑みがこぼれていた。 　

　興奮の収まらない観客からは、さらにアンコールを促す手拍子が続く。するとメイナードのみが再々登場。そしてクリスマス・イヴのスペシャル・ライヴのスタートとなった。
　まずはピアノの音色から始まる「Have Yourself A Merry Little Christmas」が会場を包み込むと、静かに流れる曲に観客は耳を傾けながらうっとり。カップルも多く、ロマンティックな気分を暫く味わっていた。そして、ブレイズが登場しさらに「Let It Snow Let It Snow Let It Snow」を歌う。この曲では雪の結晶をイメージさせる影が会場内を照らし、クリスマスの雰囲気が一気に加速。胸の高まりがそのまま手拍子に反映され、大きな音がリズムに合わせて響きわたった。サンタの帽子を被ったメンバーたちも本当に嬉しそうで、それが観客にも伝わり“幸せの相乗効果”を生み出していた。
「スペシャルなクリスマス・ライヴを成功させることができて、本当に皆さんに感謝しています。国が違っても、クリスマスの過ごし方は基本一緒だと思うんですよ。本当に幸せです」と感謝の気持ちを素直にファンに伝えると、最後はアルバム『DNA』収録曲「A Christmas Song」で幕を閉じた。 　

　名残惜しそうにステージを後にするメンバーたち。でもその笑顔からは、特別な日をファンと一緒に過ごせたことに満足しているのがわかる。そして観客たちも、思い出に残る時間を、ライヴに一緒に来た人も含めて一緒に過ごせたことを幸せに感じているような、そんな温かいスペシャル・ライヴだった。

取材・文：オフィスキューブ