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「前回のコラボから7年たって、ずっと“またやりたいね”と言っていたんですよ。今年の3月ぐらいに仙台に来てくれて、うちらのラジオ番組に出演することになった時に、せっかくだから飲みにいこうと誘って、“そこで一緒に曲を作ろうよ”と。その時iPhoneで録ったフレーズが、そのまま曲の頭になっています。すごくいい音で録れてるから、スタジオみたいに聴こえるかもしれないけど、居酒屋です(笑)」(Maynard)
「ふたりが使っている三味線はすごく珍しくて高価なもので、湿気が禁物なんだけど、座敷に入ったらいきなり鍋が炊いてある(笑)。しょうがないから、ちょっと鍋から離れて座って弾いてもらって(笑)。そこで健ちゃん(弟・吉田健一)の三味線とMaynardのギターがすごくいい感じで、“うたげ感”があって、その場面自体がすごく楽しかったんですよ。歌詞を作る時もその時の気持ちから入りたいと思って、“ありがとう。さようならは言いたくないね”という自分たちの気持ちと、曲の中のストーリーを重ねて作っていきました」(tax)
そこで気になるのは、「夏の情事」というタイトルをつけた理由。辞書を引くと、夫婦ではない男女の肉体関係という穏やかではない意味が出てくるが、曲中のストーリーはもっとせつなく優しく、“本当の愛はどこにある?”と問いかける、精神的な意味が深いもの。果たして真実は?
「途中で三味線の激しいソロのところで、肉体関係を表しているわけですよ。・・・というのは嘘で(笑)。(もともとコラボ・シリーズを始める上で)これからのリリースに向けて、夏のジョージ、冬のマイケル、秋のヨーコ・・・って、遊びで仮タイトルをつけてたんです(笑)。曲の中でも音遊びしているから。でもBlaiseが“これは面白いよ!”と言って、こうなりました。若い時はこういう曲は作れないし、我々も15周年が近づいて、そろそろこういうタイトルもいいのかな?みたいなニュアンスもあります」(tax)
「そこまで細かく考えてない(笑)。夏のテーマが強い曲だったから、どういうイメージを伝える? どういうミュージックビデオがいい?とか、いろいろ考えて、面白いタイトルをつけたほうがいいんじゃない?って。OK、「夏の情事」でいこう!みたいな感じ」(Blaise)
そのミュージック・ビデオの面白さも、今回のリリースの大きな魅力のひとつ。説明する前にぜひ映像を見てほしいが、ちょっとだけ種明かしをすると、主役はゾンビ。心地よくさわやかな曲調に乗って、メンバー4人と吉田兄弟もゾンビに扮して熱演するシーンが、最高の見どころだ。
「スミスさんという映像監督にお願いして、“夏っぽさと、情事っぽさと、よくわかんない感じでお願いします”って言ったら、こういうアイディアが出てきて、“いいね!”って。ギャップがあったほうが面白いし、ミュージック・ビデオってそういうものじゃない?」(Maynard)
「夏といえばゾンビの季節だからね(笑) 吉田兄弟も、自分たちのプロジェクトでは絶対できないことだから、喜んでましたよ」(DICK)
「僕はずっと『ウォーキング・デッド』ばかり見ているから、ゾンビになれて本当に心の底からうれしかった。この曲作って良かった、と思いました(笑)。ミュージック・ビデオって、そういう楽しみがありますよね。また全然違うところにぶっとんでるのが面白いと思います」(tax)
このリリースのあと、9月からは全国10か所のツアーがスタート。「夏の情事」から始まる15周年プロジェクトの一環として、これまでにないスタイルのツアーにしたいと、メンバーも意欲満々だ。
「今はスタジオでいろんな面白い曲を作っているから、9月のツアーから少しずつ、新曲をみんなに紹介したいなと思ってます。みんな待ってるから、新曲。ステージで演奏する時も、楽しいからね。面白いことをやりたいね」(Blaise)
「まずは「夏の情事」を楽しんでください。夏ソングとして、季節にぴったりなので。今年は長い夏になりそうですよ。6月にハワイのフェスに出たところから夏モードに入って、9月にはツアーも始まるから、ずーっと夏。夏の情事、いっぱいできるね(笑)」(Maynard)
●MONKEY MAJIKとのコラボは二度目です。今回はどんな思いで制作に臨みましたか?」
前作のchangeから何度も“またやろう”という話しはメンバーとしていたんですが、「change」という曲の存在を考えると、安易に次にいけないという気持ちもあり中々形になりませんでした。
一緒にお酒を飲む機会がある中で、「change」とは違うアプローチの夏ソングを作ろうという自然な流れがあり、作曲がスタートしました。
●MONKEY MAJIKとの音楽的な、もしくは人間的なつながりについて。どういうところに、共通する感覚があると思いますか?
自分自身、あるいは自分達が求められているものを知っていて、本当の意味で格好良いと自分達が思ったものしか表現しないところだと思います。
●「夏の情事」の曲作りで、吉田兄弟としてもっとも大事にしたかったことや、楽曲に込めた思いは?
今作はレゲエっぽい感じのリズムなので、沖縄の三線ぽくならないようにフレーズを作ることを意識しました。
つまり津軽三味線である必然性ですね。
●曲作りとレコーディング中の楽しいハプニングや感動的な出来事など、思い出に残るエピソードをおしえてください。
この曲の最初の作曲作業が、居酒屋だったことです。
ラジオ出演で仙台に行った時に、前日にご飯を食べようという話しになり、そしたらMaynardから連絡がきて、“三味線持ってきてくれない?”と言われまして(笑)。
この曲のイントロ部分は実際にその時に録音した音を使ってるんですよ!
●できあがった曲の満足具合と、そしていちばん聴いてほしい聴きどころは?
勿論大満足!
今回も良いチャレンジができました。
三味線的には、歌のメロディと同じくらい存在感のある三味線メロディを曲の中に入れたので、その辺りにも注目して聴いてほしいです。
●ミュージック・ビデオの撮影エピソードと、見どころのシーンは?
やっぱり全員ゾンビなところですよね(笑)。
僕ら吉田兄弟は今年で15周年なんですが、記念すべき年にまさかのゾンビ!
貴重な体験をさせていただきました。
●MONKEY MAJIKのファンの方へメッセージをお願いします。
二回目のコラボとなる今回の「夏の情事」ですが、「change」同様に皆さんに永く愛される曲になってくれたら嬉しいです。