「正直、デビューしたての僕の曲がONE PIECEファンの方に受け入れられるのかというプレッシャーはあったんですけど、ONE PIECEの世界観が広がる楽曲と、背中を押してくれるような前向きな歌詞に自分自身が救われましたね」
疾走感あふれるアップチューンに、美しく伸びやかな新里の声が耳に残る「HANDS UP!」は、物語の始まりだけでなく、日常の生活にも勇気をくれる爽快なナンバーだ。デビュー曲とは思えないほど堂の入った歌声を披露しているが、それもそのはず、彼の歌への想いは幼少の頃からだ。
「歌は幼稚園の頃から好きで、お遊戯会でも中心で歌っていましたね。今、思えば、母の影響で幼い頃から歌謡曲番組を観ていたのがルーツかもしれません」
そんな彼に影響を受けたアーティストを聞いてみると・・・。
「徳永英明さんです。徳永さんの歌声はまさに徳永さんだけのもの。カヴァー・アルバムを何枚か出されていますが、どの歌を歌っていても徳永さんの世界観が作られている。ソレが本当に素晴らしくて。僕も新里宏太という世界観を作れるアーティストになりたいです」
「クラスメイトや他の友達からも“聴いたよ”って言われると、やっぱり嬉しいですね。今、僕の学校では受験シーズンが始まっているので“「HANDS UP!」を聴くとやる気になる”なんて言われると、僕の方が俄然、やる気になっちゃう(笑)」
とはいえ、何もかもが初めてのデビュー曲。レコーディングで大変だったことはないのだろうか?
「自分の意識とプロデューサーとの意識を同じ方向へすり合わせていく作業は大変でしたね。でも「自分が思うように歌ってみなよ」という言葉に肩の荷がフッと下りて、ありのままで歌えた。僕の思いを尊重して進めてくれたので安心して楽曲制作ができましたね」
新里宏太が思う“ありのまま”とは?
「今、10代なので、10代でしか出せない熱や思いを込めて歌いたいと思ったんです。年齢を重ねればテクニックは身に付いてくると思うけど、今の自分の味を出したい、そう意識しました」
カップリング曲は『ONE PIECE』の代表曲である「ウィーアー!」。昨年の12月に放映された『エピソードオブルフィ 〜ハンドアイランドの冒険〜』の主題歌として歌ったナンバーが収録されている。
「きただにひろしさんから始まって、数々の有名アーティストが歌っている伝説の曲ですから、正直「HANDS UP!」よりもプレッシャーはありました。でも、この曲はルフィが冒険をスタートさせるための大事な曲。僕にとってもアーティスト活動をスタートさせる第一歩の曲でしたから、想いが重なって大切に歌った曲です」
これから始まる新里宏太の“冒険”はどんなものになっていくのか聞いてみた。
「まずは、オリジナル・アルバムを出したいですね。その後、徳永英明さんのようにカヴァー・アルバムにも挑戦してみたい。自分の声で世界観を作り上げる唯一無二のアーティストになりたいです」
彼の冒険はまだまだ始まったばかりだ。