5月11日(水)にシングル「クロノグラフ」をリリースするSKY-HIにインタビュー!
みんなからのお悩み相談にも答えてくれました!

1月発売のアルバム『カタルシス』を経てのシングルとなりますが、今作はコンセプチュアルだった『カタルシス』のPOPミュージックとしての側面と、メッセージ性の高いシリアスな一面とをより大きくフィーチャーしているように感じられます。制作において意識したことはありますでしょうか。

フィーチャーしたというより、『カタルシス』を通過して自然に出てきたものかと思います。今作は“別れを愛する歌を作ろう”と制作に入ったのですが、それは“よく生きる=全てを愛する事”だなぁと『カタルシス』を作ってから感じていたからだし、ツアーで一期一会のリスナーやファンに直接向かい合えた事も綿密に関わってます。
サウンドは、『カタルシス』以前よりも洗練させるよう意識しました。スネアの鳴り一つ取っても、媚びない強さとか…アンティークな匂いと新しさのハイブリッドな感じとか…グラスパー以降流れが来てる音ですよね。

「クロノグラフ」は“別れから得る強さ”を描いていて、“愛することで己の強さを獲得する”「アイリスライト」と真逆のベクトルを示しながらも、続編的なストーリーも感じ取れます。

全ての歌が僕の人生から生まれてるのは間違いないですし、一つも惰性の言葉や音がないので、自ずと繋がるところはあると思います。
僕も、意図してるかもしれませんし、してないかもしれません。

皆が普通に生きている様に、俺の音楽は限りなく人間的に生きている状態に近いと思うので、そういう風に言ってくれる…読み取ろうとしてくれる人が多いのかと思いますし、それは最近の音楽の聴き方のトレンドなのは確かですし、嬉しいです。
でも、そんなこと抜きにしても、それぞれの人の人生の中でそれぞれのメッセージと輝きを持つことを誇りに、幸せに思います。
解釈が無限に産まれてるのは嬉しいですし面白いです。これからも想像を促す創造はしていきたいです。
まぁ、それを一言で言うと“単純に良い曲だ”って言ってもらえることになるのだけれど(笑)。

ちょっと深読みしすぎな考察だったかもしれませんが、“愛と強さ”の関係についてどうお考えでしょうか。

“愛と強さ”ですか、なんだろう。
それこそ解釈の幅が大きいですが(笑)、“愛”に比べて“強さ”って、確かな物に思われがちだと思うんですが、どっちも“信じないと産まれない物”だと思うので、相当ニアリーイコールだと思います。
折れない強さって、自己愛だと思うし、守り抜く強さって、他者への愛だと思うし。
逆に“自分が強い”って信じられなくなった時って、おそろしく臆病ですよね。

強さと愛は、相互補完可能な所が美しいけれど、よく言われるような“愛が強さになる”だけじゃないとは思います。
愛だって強さだって、怖いし。人を傷つける元でもあるし。
数値化しにくいからお金とかよりは幻想を抱かれがちだけれど、決して完璧なもの、素敵なだけのものとは思えないかなと思います。

c/wの「Front Line」は鋭いリリックが突き刺さるシリアスなナンバーですが、リスナーをアジテートしておきながらも、立ち上がらない者は突き放すぞという厳しさも感じられます。曲に込めたメッセージを教えていただけますでしょうか。

そんな突き放すなんて滅相もない(笑)。
この曲はドラマの主題歌でもあって、「闘う歌を作って欲しい」と言われたのですが“闘う”って、やっぱり怖くないと嘘だと思うんですね。怖くないのに闘ってるって、ただの自暴自棄か戦闘狂じゃないですか。
その怖さの中で得る“強さ”って、絶対他人への優しさとか、弱さとの対峙だったりすると思うから、そこを応援してあげたかったのかな。
怖くても闘わなきゃいけない時ってやっぱりあるし。

そもそも個人的には、逃げるって決して悪いことじゃないと思うんです。闘わない事も、弱い事も。

だけど、それでも自分や周りの皆を今より少しでもよくするために闘う人はいて。そんなの応援したいじゃないですか(笑)。
だから、ちゃんと闘う人を応援したいから、無責任に「がんばれがんばれ!」じゃなくて、立ち向かう怖さとか、上手くいかないかもしれない不安とか、進むための軋轢とか、そういうの全部ひっくるめて、やっと「がんばれ」って言いたいと思っています。
だから強い言葉が多いのかな。テンプレや誤魔化しの甘めの言葉に逃げたくないですね(笑)。

私は昔から人が苦手で、周りの人とうまく付き合うことができず、いじめられたり、仲間外れにされています。学校や部活がとても苦痛です。今は音楽やラップで紛らわしているのですが、SKY-HIさんは人間関係で辛いときはどうやって乗り越えてきたのでしょうか?
(10代/女性/なるるさん)
   
難しいですね。
さっきのインタビューとも重なるんだけど、逃げて良いと思います。
人との関わり方も、自分の生き方も、本当無限大にあるわけだし、その場の特定のコミュニティに属せないなら、しょうがないじゃない。
学校や部活って、自分が属してる時は全てに思うけれど、その先とか、脇道それた向こうとか、全然逆の道とか、無数の人がいて、無数の関わり方があって、無数の土地があって、そのいくつかは、君が逃げ込んだときに扉を開けてくれると思います。コミュニティなんて、本当にびっくりするくらい無数にあるから。
それでも、人と関わる以上、絶対にストレスがかからないってこともまたないのだろうけれど、嫌になったら、自分から完全に一人になろうと模索してみても良いわけだし。

僕の話になるなら…「そこで何がしたいか」「何のためにそこにいるのか」が明確でなかったらそもそもそのコミュニティにいないと思います。
なので、あまり周囲との人間関係で苦労した記憶はないです。あと僕は根っこがだいぶ人間好きなので、あまり参考にならないかもしれません(笑)。
   
保育系の短期大学に通っています。もうすぐ就職活動が始まるのですが、保育を学んでいくうちに「子どもが好き!」と言う気持ちだけでは仕事をやっていけないのではないか、本当にこの道に進んで良いのか迷いが出てきました。
子どもと関わるという好きなことを仕事にする道をこのまま選んで頑張るべきなのか、それとも一般企業に就職するべきなのか迷っています。
SKY-HIさんは音楽という好きなことを仕事になさっていますが、好きなことを仕事にして良かったこと、悪かったことを踏まえ、アドバイスいただけないでしょうか。
(10代/女性/きんぼしさん)
   
うーん僕は好きなことを仕事にしてるというよりは、音楽は仕事にするしない関わらず、
ずっとやるのは確かなので、その上で自分が「仕事」をするのに今何が一番良いか、向いているかで、今は有難い事にそこも音楽、というだけです。

好き、という気持ちだけで仕事にしようと思った訳ではないですね。

状況が変わってご飯が食べられなくなったら、他の仕事を普通に探します。
それでも音楽はずっと作りますよ。大好きなので。 好きなことってそう言うものの気がするので、一般企業に就職されても、子どもが好きで本当に何かしたいのなら、同時進行で何かすれば良いと思いますし、それが結果として副業やビッグビジネスに繋がる事もあるかもしれません。

逆に、周囲が反対しても、どんなに不安でも大変そうでも、例えば俺がここでボロクソに言っても、それでも今すぐに保育のお仕事に就きたい、というのであれば、そんなに素晴らしい事も無いと思いますので頑張って欲しいです。

ただ一個だけ言えるなら、
どの道選んでも他の道選んだことを想像して後悔する日も来るかもしれませんから、好き、好きじゃない、だけじゃなくて、向いてる、向いてないも含めて考えるのは良いかと思います。

5年後、10年後の自分が輝いているのがどんな仕事なのか、楽しみですね。

頑張ってください!