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1月20日に、2ndアルバム『カタルシス』をリリースしたSKY-HIに都内某所にてSKY-HIに公開生インタビューを実施。まるで映画のようにコンセプチュアルな作品となった傑作アルバム『カタルシス』の制作秘話、楽曲に込められた真意などを熱く語ってもらいました。なかには感情移入され感動で泣き出すファンの方も……。他では聞けない、クローズドに行われたスペシャルトークをお楽しみください。

音楽コンシェルジュのふくりゅうです。今日は公開インタビュー楽しみにしてきました。SKY-HIのアルバム制作は、昨年から流れが続いてるので、楽屋でも話しましたがいまはツアー直前でもありますし、めっちゃお忙しそうですよね?というか今回、媒体取材などアルバム内容について詳細に語るインタビューが多かったのが印象的でした。

SKY-HI 『カタルシス』のタイミングで入った外部スタッフの人と話をしていて「インタビューで、いままで言わなかったレベルの話までしましょう!」ってなったんです。『カタルシス』に込めた意図などを説明すべきだと。俺が新人だったら言わないで、第三者に語ってもらう方法もあったと思うんですけど、現状はいろんな人が日高(SKY-HI)に対して様々なイメージを持っている状況なんだから自分から発信していけと。だからSNSも含めて、自分を構成している要素を強めに出していこうと思ったんですね。

それこそアルバム『カタルシス』は、SKY-HIの人生観とあらためて向き合った作品ですよね。死生観も感じられました。ただ単に音楽アルバムを作っただけじゃない作品ということですよね。

SKY-HI それはやんなきゃいけないと思っていました。いまの時代、音楽を作るだけなら誰でもできるじゃないですか? ガレージバンド(Apple製DTM作曲ソフト)だってあって、無料でネットで発信ができる時代、それはそれで素晴らしく良いことだと思っていて。それに、音楽に値段がついたのってここ百年の話じゃないですか? そもそも値段がなかった時代があったわけで。でも僕は、値段がつく時代に音楽アルバムを作っているんですね。それこそアメリカなんてフリーミアムなストリーミングが主流になっていますけど。

ヒットの指標が売り上げ枚数より再生回数に変わりつつありますね。

SKY-HI アメリカ至上主義ではまったくないんですけど、去年は、なんだかんだいってアメリカ発のアルバム作品が好きだったんです。思うに、音楽に値札がつかなくなったから、逆にアルバムとして価値の高いものをつくらなきゃってミュージシャンイズムが働いたのかなと思ってます。ザ・ウィークエンドのアルバム『ビューティー・ビハインド・ザ・マッドネス』も良かったし、ケンドリック・ラマーのアルバム『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』も映画的な作品であって「カタルシス」に近いのかなと思ったり。そういうコンセプチュアルな作品が評価されていくことが自然の流れに感じました。俺は2016年に東京で生きていて、音楽に値札をつける立場にいるのに、それをマイナスにとらえたくなかった。音楽に値札をつけることって、値札のついている他の商品と勝負することだと思うんです。それは絶対に意識しておかないといけないと思うんです。

他の取材で、アルバム『カタルシス』のライバルは、映画や漫画などの娯楽だって語ってましたね。

SKY-HI すべての娯楽物のなかで、俺のアルバムを選んでくれた人に答えるには、それくらいの気持ちでアルバムをつくらないといけないと思うんです。ただ曲を集めて出すだけだったらフリーでネットにあげちゃったほうがアートとして自然だし、作ってすぐリリースできるので音楽との向き合い方としても正しいと思う。でも、ちゃんと作品としてつくりこまないと作品価値として流通商品に対応できないと思うんです。聴いてくれる人がお金と時間と心を払ってくれるんだから、それに見合うものをしっかり向き合ってつくらなきゃいけない。

なるほどね。それがモチベーションであると。

SKY-HI 音楽をつくるうえで向き合う対象が結局自分しかなかったんですよ。ここ10年、休みらしい休みをとらないできたから、気がついたら音楽以外やってないやみたいな。趣味欲しい趣味欲しいってずっと言ってたんですけど、あきらめましたね(笑)。

そんな決意が楽曲の構成力だったり、1曲目の「フリージア~Prologue~」から世界観を爆発させるインパクトある導入部分を生み出したんですね。今回、アルバムのセットリスト、曲順へのこだわりを強く感じます。そこはケンドリック・ラマーであったり、グラミー賞などで評価されているアルバム作品へこだわっているアーティストへのリスペクト、影響もあるのでしょうか?

SKY-HI そこはけっこうシームレスです。逆にいうとケンドリックのアルバムって言語がネイティブな方が楽しめるじゃないですか? こっちは人が訳した歌詞を読みながら楽しむしかないのが悔しかったりするし。ザ・ウィークエンドとかマーク・ロンソンに関しては、サウンド優先だし面白いですよね。インタビューを読んで、ここはこうなってるとか、サンプリング・ソースはこれなのかとか知るのが楽しいです。マーク・ロンソンはすごいよね、クレジットに書かなきゃバレないみたいな人の名前も絶対いれるじゃないですか? マーク・ロンソンと以前、対談をしたときに一番楽しかったのは、サンプリングが何かって話だったんですよ。

おお、たしかに興味深いですね。

SKY-HI 人間って聴いたことのない音は出せないらしいんですよ。生活環境の中で高い音を聴く機会が多かったら高い声を出すようになるし、低い音を聴く機会が多かったら低い声を出すようになる。聴いたことのない周波数の音は出せないっていう。だから耳が全く聴こえなかったら喋り方がわからないと。その上でマークは、自分が出す音楽を構成している要素は自分が聴いてきたもの、リスペクトを持って聴いてきた作品だから、それを取り入れて再構築して新しい形にして出すことは良いことだと。それをつくった精神や、当時の空気感とか根っこをくみ取ることがサンプリングだという意識がすごい強いんですよね。

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