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4月からスタートした約1年ぶりの全国ツアー。その折り返し地点となる東京ドームは、会場中を埋め尽くしたレッドオーシャン(赤いペンライトの海)が圧巻! 開演時刻が近づくにつれ、2人を待つ会場の熱気は1秒ごとに高まっていく。
最新アルバム『TREE』を引っさげたツアーだけに、セットリストは同アルバム曲が中心。オープニング曲も、もちろんそこから選ばれたクールなダンスチューン「Champion」。以降もガッツリ踊って魅せるナンバーが続き、途中、どちらかがカメラ目線でファンを悩殺するたび地鳴りのような歓声が。近未来的なレーザーや照明もとにかく華やかで、一瞬も目が離せないスペクタクルなショーが客席をぐいぐい飲み込んでいく。
最初のMCは「最初からものすごく盛り上がってますね!」とチャンミンがハイテンションに語り、ユンホも「いろんなステージが待ってるから! 今日は本当にヤバイよ!?(キメ顔)」と煽る。
そんな中で始まった「Cheering」は、すれ違いざまにハイタッチをした2人に大歓声が。
壮大なバラード「愛をもっと」は、包み込まれるような優しい歌声に胸が震え、彼らが贈る愛のメッセージを噛み締めるように聴くファンも多かった。
黒×ゴールドの衣装に着替えた次のステージは、一糸乱れぬ正確さに脱帽のシンメトリーダンス、掛け合いのセリフを交えた楽曲など、幅広い表現力で魅せる。たった1曲の中にも“静”と“動”が効果的に顔を出す、まさに東方神起にしかできない唯一無二のパフォーマンス。
モニターに抜かれる表情も本当にファンのツボを押さえていて、胸の鼓動は休まる暇がない。
そうかと思えば、次のバラードコーナーは雰囲気が一変。ストレートで自然体な歌&表情ながら、汗をかきつつ全身全霊で思いを届けているのが伝わってきて、ファンはそれを食い入るように見つめ、聴き入る。
歌唱後、スタンディングオベーションのような賞賛の拍手が送られた「I love you」。
ロマンチックなナンバー「Wedding Dress」は、幻想的な水の演出と多幸感あふれるファルセットに会場中が心酔の様子だった。
お待ちかねのMCは「みなさん、元気そうで何よりです(笑)」というユンホからスタート。
そして「今日は真面目に自己紹介してみましょう」(ユンホ)という振りで披露したのは……
「♪ドゥ、ドゥ、ドゥ……(ピンク・レディーの「UFO」歌って)ユンホゥ!」。
チャンミンは「みなさん、こんばんは! 長崎チャンミンでーす!」。
上手く(!?)笑いを織り交ぜた2人に会場は大爆笑だったが、チャンミンは「僕の(自己紹介)、全然ウケてないです!」と恥ずかしそうに失笑。
アルバム『TREE』の話題では「これからも東方神起をみなさんと育んでいきたいという思いを込めています」とユンホ。
チャンミンはアルバムにまつわる質問をいくつか投げ、ファンの答えが揃うたびに「はい、せーいかーい!」とドラマ「クロコーチ」の主人公の真似を。
これがウケると、ユンホと声を揃えた「はい、せーいかーい!」も披露(笑)。その後、チャンミンが着替えのためバックステージに戻ると、ユンホが1人でMCを。
「今日は韓国語講座スペシャルです!」と、今までライブで教えた韓国語を復習。“かわいい”や“カッコいい”などの韓国語を改めてレクチャーすると「さあ、隣の人に言ってみて!」と無茶ぶりも(笑)。いい意味で変わらないアットホームかつ微笑ましいMCに、ファンは大満足の様子だった。
後半は各々のソロ曲から。イスに座って切ない歌声を聴かせた「Over」(チャンミン)、スタンドマイクを操り、ロックなステージで盛り上げた「Shout Out!」(ユンホ)と、2人のナンバーは実に対照的。
続く「SURI SURI[Spellbound]」は、バックダンサーと作る華やかな演出に胸が躍りっぱなし。小洒落たバーを舞台にした芝居シーンは、歌っているときには見られないコミカルな表情も。続く「Something」では揃ってスウィングしたり、飛び跳ねたり……。会場中が夢見心地の世界へとトリップした時間だった。
ラストスパートは、東方神起の楽曲の中でも別格の存在感を放つ「Why?[Keep Your Head Down]」から。そして「Easy Mind 〜ウィーアー!」ではフロートで会場を一周すると、スタンドのファンも一気に熱を帯び、ドーム中がお祭り状態!
自由すぎる振る舞い&おちゃめな表情で湧かせるユンホ、ノリノリでキャノン砲を打つチャンミン。この最高な時間がいつまでも続けばいいのに――そう誰もが強く思った、本当に幸せなひとときだった。
即座に起こった「東方神起!」コールに応え、登場したアンコール。
「夏の抑えきれない情熱を歌った曲」とチャンミンが紹介した新曲「Sweat」は、スタイリッシュな楽曲セクシーなダンスでファンを骨抜きに。そして「OCEAN〜Somebody To Love」で再びフロートで周回すると、2人と少しでも近い距離で触れ合いたいと会場中が総立ち!
幸福な熱とエネルギーがぶつかり合い、ドームはまさに興奮のるつぼと化した。
続く「Good bye for Now」では、ペンライトを使ったファンからのサプライズが。スタンド席に“TOHOSHINKI FOREVER”の文字が浮き上がると、2人はそれをじっと見つめて、今の気持ちをそのまま表したような感謝の歌のメッセージを届けていく。
ライブの終了は寂しいが、再会を誓うこの曲に胸が温かくなったファンも多かったことだろう。
ユンホが音頭をとった♪Lu-pa-pa...の掛け合いは全員の心があらためてひとつになり、東京ドームの感動はここで頂点に達した。
歌い終えたユンホは「ペンライトありがとう! 超うれしかったです!これがみなさんの力だって、今日すごく感じました!」と笑顔を。
チャンミンは「その文字みたいに、僕は呼吸する限り“東方神起”という木を守っていきたいと思います」と涙モノのメッセージを届けていた。
そして……とうとうやってきたライブの締めはもちろん、「みんなー!ウィーアー!」(ユンホ)、「T!!!」(ファン)。
約3時間半、どこを切り取っても完璧な、精密かつ高い完成度でファンの胸を揺さぶった2人。この日もまさに“圧倒的”という言葉がピッタリの素晴らしいステージだった。