今作は昭和と平成のJ-POP・歌謡曲の中から、「木綿のハンカチーフ」「いい日旅立ち」「Lemon」「糸」「卒業写真」等、誰もが一度は耳にしたことのある名曲を選曲したカバーアルバム。原曲を尊重した丁寧なカバーアレンジをベースに、心の琴線に触れる篠笛の歌うような音色、ジャズテイストを纏った知的なピアノによる演奏が楽曲の持つ素晴らしさをより一層際立たせつつ独自の世界を表現している。また、今作にはピアニスト&アレンジャーとして林正樹が参加。小野リサ、渡辺貞夫、菊地成孔など様々な音楽家との演奏活動や、三宅純、椎名林檎などの多岐に渡るアーティストのスタジオワークにも数多く携わり、2021年公開の映画「すばらしき世界」(監督:西川美和、主演:役所広司)では音楽を担当した、幅広い音楽ジャンルで重用されるトップランナーと最強のタッグで制作。包容力豊かでセンス溢れるアレンジを背景に演奏される狩野と林による息のあったプレイは心地良い風のような音像となって聞き手の心の奥の部分に届き、「懐かしさ」から「安心感」そして「新しい感動」を喚起。まさに稀代の名曲が日本のスタンダードに昇華する1枚となっている。