インタビューが始まるやいなや、アコースティックギターを持った3人の男は挨拶もそこそこに歌い始める。3rdシングルの「ONE DAY」だ。響き渡る軽やかなギターのサウンド、そこに3人の伸びやかなコーラスが加わっていく。この中でとても印象的な歌詞がある。「予定よりかなり遅れた電車から ちょうど見える夕陽があるらしい。」これは、3人を表すそのままの言葉だとGAKUは言う。GAKU、TAMA、ZENの3人からなるUNISTは、それぞれが別々の音楽活動を経て結成した異色のユニットだ。
「俺たちこんな格好してますけど、実は若くないんですよ(笑)。みんな音楽活動を続けてきて、業界の厳しさに一度挫折している過去があるんです。だからこそ、この歌詞が書けた。世間的には、この年齢でまた新たな事に挑戦するなんてありえないと思われるかもしれないけど、この年だからこそ見えるものがあるんじゃないか、ってことを投げかけたくて。」(GAKU)
なぜ、音楽を諦めかけた彼らが、もう一度メジャーシーンに戻ってきたのか。その答えは単純明快! 「知人を通じて3人で初めて会ったとき、すぐにギターを出してセッションが始まり意気投合。一度挫折しているにも関わらず、この3人だったら“イケる!”と確信したんです。」(ZEN) 「ちなみに“イケる!”とは、いままでの音楽シーンにない新しいものを作れる、という意味で。」(TAMA)
とはいえ、TAMAはジャズをベースにした音楽を追求し、ZENはシンガーソングライター、GAKUはポップバンドでドラムを担当・・・と音楽性は見事にバラバラ。しかし、作詞作曲はすべて彼らが行っている。
「ONE DAY」に関しては俺がAメロを作って、TAMAちゃんがAダッシュを作って、ZENちゃんが歌う部分を考えてと、それぞれが持ち寄ってパズルみたいにハメていきました。」(GAKU) 「ONE DAY」はすんなりできましたね。みんなが良いと思ったものがキレイに合致した。」(ZEN) 「あとは、1つのメロディを3人で“あーでもない、こーでもない”と言いながら作っていく場合もあります。」(TAMA)
“あーでもない、こーでもない”で揉めることはないのかと意地悪な質問をすると、あっさりと切り返された。
「逆に目から鱗ですね。ひとりで曲を書いていると予定調和の仕上がりになるけど、2人のエッセンスが入るとまったく予想していなかったものができあがる。それがおもしろくて仕方がないんです。」(GAKU)
そう思えるのもお互い、一度挫折という苦しみを味わったからだという。挫折を知らずに頑固なままで音楽に向き合っていたら、決して新しいものは生まれなかった、と。
このシングルを引っさげ、4月21日(日)からワンマンツアーがスタート。ここで見せたいものがあるとGAKUが意気込んだ。「メジャーになりたての頃は“プロのステージを見せないと”とプロじゃない部分をそぎ落とすことに必死になっていたんです。でも、そぎ落とした部分に旨味がたくさんあるんだとやっと分かってきた。だから、今回のライヴでは旨味たっぷりの部分を押し出していこうと考えています。」(GAKU)
洗練されていくことだけが正解とは限らない。そぎ落とした部分におもしろさを見いだした彼らは、ますますuniqueな新しい音楽を作り続けていくのだろう。
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Les McCann
『PUMP IT UP』
僕の音楽はもともとジャズがベースなんですが、ジャズにハマったきっかけとも言える作品。レス・マッキャンがファンクも取り入れた意欲作でとにかくカッコいいにつきる!(TAMA)
『いまを生きる』
(1989年 アメリカ)
エリート校に破天荒な教師がやってきて、生徒の心を動かしていく物語。主役のロビン・ウィリアムズの「人生を平凡なものにするな」というセリフが、今の俺を作ったといっても過言じゃないほど影響を受けています。(GAKU)
「あのころ部」
(オリジナル)
これは作、ZENです。本は読むだけでなく、ストーリーを考えるのも大好きで。ちなみにこの作品は、落ちこぼれを排除して無理矢理、進学校を目指す高校が舞台。そこに、一人の新入生が、落ちこぼれでものびのびやっていた、あの頃を取り戻す部活「あのころ部」を作ろうと奮闘する物語です。(ZEN)