映画『のだめカンタービレ』やテレビドラマ『3年B組 金八先生』、『ごくせん』などの出演経験を持ち、特撮ヒーロー番組『仮面ライダーオーズ/OOO』ではアンク役として人気を集めるなど、近年最も注目される俳優として活躍する一方、2012年7月にシングル「夏だよHONEY!!」でアーティストデビュー!!
自分が理想とするカッコよさを追求したかった
「とにかくカッコいいものがつくりたかった」
開口一番、3rdシングル 「escape」の思いをこう語った三浦涼介。その言葉通り、今作はギターサウンドと骨太なダンスチューンが印象的なダンスロックナンバーだ。1stではポップなダンスソング、2ndではしっとりとしたバラードを聴かせてくれたが両作とはまったく違う仕上がりになっている。これは、三浦自身の意図したものなのだろうか。
「1stも2ndも大切にしている曲ではあるんですけど、もっと自分が理想とするカッコよさを提供したかった。正直、デビューからの2作品は何が正解かまだ分からなくて、自分の理想も見えていなかった部分があるんです。でも、ライヴやレコーディングを重ねるにつれて見えてきたのが“真っ当なカッコよさ”を追求したいという気持ちでした」
1stや2ndで感じた“女性を優しく包み込む”イメージから一転。「escape」は楽曲や歌詞から“女性を奪う”という攻めの姿勢が見える。
「“よっしゃ!攻めていくぜ!”と思ったわけではないんですが、3作目ということで“ここでトーンダウンしたら、次はないんじゃないか”という焦りが知らず知らず攻めの姿勢になったのかもしれません。でも、この気持ちが今の自分の等身大の思いで、素直に歌えたし踊れた。ミュージック・ビデオでも今までで一番ハードに踊っているんですけど、力まず余裕をもって踊れましたね。だからか、僕を知る周りの人たちからは「escape」を聴いて“ホントの三浦っぽいね”と言われることも多くて。今、自分が歌いたい素直な1曲になったと思います」
カップリングの「All the way」は彼自身が得意とするバラードナンバーだ。しかし、レコーディングでは予想外なことが起こったそう。
「レコーディングを半年ぐらいしていた中で一番最後に録った曲なんですよ。自分と向き合いながらずっとスタジオにこもる日が続いていたから、体も気持ちもしんどかった。そんな時、スタッフさんから“いままで大変だったと思うけど、この曲は力抜いて、何も考えず好きに歌っていいよ”とアドバイスをいただいて。それで、リラックスして歌っていたら、これまでの大変だったことや、それを乗り越えて今、素直に歌える安心感など、いろいろなことがこみ上げてきて感極まって歌えなくなったんですよ。僕が落ち着くまでレコーディングは中断(笑)。周りの方には迷惑をかけちゃいましたけど、歌っていいな、と改めて思えた曲ですね」
“歌っていいな”。最初にそう思ったのは小学生の頃。歌手のオーディションを受けたこともあったが、先に芽が出たのは役者の方だった。役者デビューして13年、歌への思いはいつも片隅にあったが、なかなか形にならなかった。それが実ったが昨年の夏。さぞかし、嬉しかったことだろう・・・と思いきや。
「まったく実感がなくて。事務所の人に“歌手デビュー決まったよ”と言われても、あ、そうなんだ…ぐらい(笑)。新人なのにまったくフレッシュさがないですよね。言い表すなら“ヤッター!”よりも“そうか、ついにきたかぁ〜”という感じですかね。デビューイベントでステージにあがってようやく“デビューしたんだ”と思ったり」
アーティストと役者。二足のわらじをはいていると、お決まりのように聞かれるであろう「その違い」。もれなく聞いてみると、とてもシンプルな答えが返ってきた。
「違いはないですね。どっちも好きだからやっている。ただ、それだけ。確かに、最初はアーティストと役者は違うもので、それぞれの違いを探そうとしていました。インタビューでもその違いを明確に、かつ、カッコいい言葉で答えようと考えていましたが、ここ最近はあえて違いを見つけることもないんじゃないかなと思うようになって。何かを表現することは歌うことも、演じることも同じだし、自分が両方とも好きだからやっていること。その中で僕が大切にしなきゃいけないのは、その時のベストのものを提供する。これに尽きると思うんですよね」
自分がやりたいことを追求する。そのシンプルでストイックな考え方に行き着いた彼の今後が楽しみだ。
テキスト:中屋麻依子
三浦涼介の「いま」気になる音楽・映像・本についてQUESTION!!
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とにかく顔が小さく、スラリとしたスタイルに圧倒! まさにイケメンという言葉がぴったりの三浦さん。質問に対して、丁寧に答えてくれる真摯な姿が印象的でした。好きな映画で答えてくれた「THE SECRET」のDVDをわざわざを持ってきてくれて「とにかく観てください!」と熱弁。あれだけ言われると観たくなっちゃいます!
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