イケメン俳優の登竜門としてお馴染みになった『仮面ライダー』シリーズ。昨年から今年にかけて放映された『仮面ライダー鎧武』で、冷静沈着なライダー、バロンを演じた小林 豊が3カ月連続リリースのシングル第一弾『恋するスイーツレシピ1〜君が恋に落ちる一つの方法〜』をドロップ。あのクールなライダーがスイーツレシピ！？　と思うかもしれないが、実は彼、元パティシエという意外な経歴を持つのだ。そして、シングルタイトルのようなスウィートな素顔もたっぷり披露してくれた。

―まずは、気になるパティシエを目指したきっかけから聞いてみると、育ってきた環境が大きいという。

「母親がお菓子作りが大好きで、小さな頃からよく手伝っていたんですよ。母親の口癖が“お菓子作りはきちんと習わないとダメねぇ”で。ならば、僕がきちんと習おうと高校卒業後に製菓学校に通ってパティシエになったんです」

―しかし、パティシエと同時にもうひとつの夢があった。それが俳優だ。

「俳優なんて夢のまた夢でしたが、友人が後押ししてくれてオーディションを受けてみたんです。そこで合格してから俳優業がどんどん増えてきて、勤めていた洋菓子店をきちんと辞めることにしました。その時、パティシエの先輩から“スイーツ業界も厳しいけど、芸能界も厳しいところだろうからへこたれるなよ！”と喝を入れてもらったんです。その言葉は今でも僕の支えになっていますね」

―そして、晴れて俳優として活動しはじめるわけだが、彼にはどうしてもやりたいことがあったそう。

「芸能界に入って俳優業と共にやりたかったことは“料理の本を出すこと”“料理の歌を歌うこと”“料理番組を持つこと”の３つ。やはり、料理は自分の個性のひとつでもありますから、それを武器にしたいと思ったんです。だから、今回、リリースする『恋するスイーツレシピ』はまさに自分がやりたかったこと！　僕が考えたスイーツのレシピをもとに歌詞がつけられ、曲が生まれ、自分が歌う。小林 豊だからこそできる歌に仕上がったと自信を持っています」

―特筆すべきは、歌詞をドラマにもなった大ヒットコミック『失恋ショコラティエ』の著者、水城せとな氏が手掛けたことだ。水城せとなと言えば恋愛ストーリーの名手。『恋するスイーツレシピ』でもせつない失恋やもどかしい駆け引きなど、恋をしたことがある人ならば、必ず共感するであろう恋心が描かれている。

「今作には3曲収録されていて『夏の思い出レモンソルト』では好きだった女性を忘れられない男心、『まるでピーチ・ジンジャーエール』では不器用な男の恋心、『キミイロバナナタルト』は優しすぎるがゆえに好きな女の子とうまくいかないもどかしさが描かれています。曲ごとにまったく違う性格の主人公ですが、聴いた方がまるで３つの恋をしている気分になれるように、それぞれの気持ちになって歌いました」

―ちなみに彼自身の恋愛はどの曲が一番近いのか聞いてみると…。

「えー！　う〜ん（ちょっぴり悩んで）『キミイロバナナタルト』かなぁ（照）。僕、女の子に対して強く押せないんですよ。好きな人といるとテンションがあがってフワフワしちゃうんです。そうすると“おもしろい人”と思われて、恋愛から外れるみたいで、ボイメンのファンの方にも、「ゆーちゃむ（小林の愛称）は特別枠だから」って言われちゃう。それって男として見られてないじゃん！って（笑）」

―ちなみにバナナは『仮面ライダー鎧武』で、小林演じるバロンのモチーフでもあるが、噂によるとバナナは苦手とのこと。それで“バナナタルト”なんて本当に作れるの？　そんな素朴な疑問をぶつけてみた！

「正直に言うと、バナナはかなり苦手だったんですが、『仮面ライダー鎧武』が始まると、どうしてもバナナと向き合う時間が増えるわけですよ。撮影でもバナナだし、差し入れもバナナだし（笑）。それで、好き嫌いをなくすチャンスだと思ってできる限り食べるようにしたんです。おかげで、だいぶ慣れましたね。だから、『キミイロバナナタルト』のレシピももちろん僕が考えました。今ではバナナを持って踊るほどですから！」

―彼がバナナを持って踊る姿はYou tube Officialチャンネルのサイト『恋するスイーツレシピ』で見られる。この番組では、料理を作りながら歌って踊る姿を披露しており、鮮やかな包丁さばきだけでなく、華麗なダンスやときには女心をキュンとさせる演技も見せてくれている。

「料理番組とはいえ、ただ、料理するだけじゃ面白くないから歌やダンス、お芝居を混ぜてみようということになって。かなり新しい試みでしたけど、全部、自分が好きなことだからとても楽しいですね。曲と同様に、僕と一緒に料理を作っているような気持ちになれる番組です」

―今後、第二弾、第三弾と連続でシングルをリリースすることが決定しているが、レシピはすべて小林が考案。一体、どのようにして考えているのだろうか。

「レシピは常に考えていますね。この間も寝る寸前まで“チョコレートで何か作りたいなぁ”と考えていたらピンと閃いて、ベッドから飛び起きてイメージを手帳にザザッと書いたんです。それを水城先生に写メで送ったら「おもしろい！」と言ってくださって、あっという間に歌詞を書いてくれたんですよ。2人のインスピレーションがぴったり通じ合って、歌が出来上がっていく過程もとても刺激的ですね。第二弾、第三弾も魅力的なレシピと水城先生の世界観が詰まった歌詞が融合した“いままでに聴いたことのない曲”をお届けできると思います」


―天使のような甘い笑顔でインタビューに応じる姿と色気のある雰囲気を纏いながらせつない恋を歌う姿、そしてパティシエの衣装に身を包み繊細な仕草で料理をする姿。まるで別人のような多彩な表情を見せてくれる小林 豊の魅力に恋してしまうこと間違いなしだ。